本文に移動

尹大統領夫人の捜査はいつ?… ドイツモーターズ前会長に懲役8年求刑

登録:2022-12-17 02:24 修正:2022-12-17 10:10
検察、クォン・オス前会長に懲役8年、罰金150億ウォンを求刑、追徴金81億ウォン
ドイツモーターズのクォン・オス前会長/聯合ニュース

 検察は、株価操作事件で起訴されたドイツモーターズのクォン・オス前会長に懲役8年を求刑した。起訴された関係者の一審は1年あまりで終わりを迎えつつあるわけだが、株価操作の「スポンサー」の役割を果たしたとの疑惑がふくらんだ尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の妻、キム・ゴンヒ女史に対する検察の捜査には1年ほど動きがみられない。

 検察は16日、ソウル中央地裁刑事23部(チョ・ビョング裁判長)の審理で開かれた結審公判で、クォン・オス被告に懲役8年、罰金150億ウォン(約15億7000万円)を求刑し、追徴金81億3668万ウォン(約8億5000万円)も求めた。

 キム・ゴンヒ女史が株式口座を預けており、株価操作に関わっていたL氏には、コスダック上場企業アリオン事件に関する容疑を加えて懲役7年、罰金100億ウォン(約10億4000万円)を求刑し、追徴金9億4850万ウォン(約9910万円)を求めた。尹大統領側は、キム女史はL氏に新韓証券の株式口座を一任したものの、損失が相次いだことから4カ月で株式を別の口座に移すとともに、L氏とは絶縁したという趣旨の釈明を行っている。

 株価操作に関わったもう一人の人物であるK氏には懲役5年と罰金100億ウォンを求刑し、追徴金58万ウォン(約6万600円)あまりを求めた。共犯として起訴された証券会社の社員たちと、いわゆる「ブティック型」投資会社の代表らには懲役2年6カ月~懲役6年を求刑した。

 検察は「この事件の犯行は健全な取引秩序を損ない、不特定多数の投資家に被害をもたらした。厳しい処罰は避けられない」と述べた。そして「相場操作という巧妙な手法を用いており、長期間にわたって組織的・計画的に犯行が行われ、動員された資金だけで数百億ウォンに達するほど、犯行規模もかなりのものだ」と付け加えた。

 クォン前会長の弁護人は最終弁論で「検事が主張する株価操作は証拠のない一方的主張に過ぎない」と反論した。L氏の弁護人は「公訴事実の要旨は、L氏がクォン会長などと共謀してドイツモーターズの相場操作を行ったというものだが、2010年9月ごろから相場操作をしていないということが様々な証拠によって確認された。L氏に対する部分は公訴時効が成立している」と主張した。クォン前会長は最終陳述で「普段お互いに役に立つよう知人たちを多くつなげていたが、これが禍根となって株価操作という途方もない犯罪に巻き込まれ、裁判まで受けることになった。悔しくて眠れないが、不徳の致すところだと思いたい」と述べた。一方、L氏は「誤った考えと誤った行動で物議をかもして申し訳ない。これまでの裁判過程を、自分の過ちを振り返る省察の時間としたい」と述べた。判決公判は来年2月10日に行われる。

 クォン前会長は2009年12月からの3年間、仕手筋や前・現職の証券会社の役員・社員と共謀し、ドイツモーターズの株を人為的に引き上げた疑い(資本市場法違反)で起訴された。クォン前会長らは156の口座を動員して株を大量に買いあさったうえ、仮装・なれ合い売買(互いに示し合わせて株を売買すること)、競上げのような相場操作を意図した注文を入れた疑いが持たれている。検察は、クォン前会長らがこのようなやり方で2000ウォン(約209円)台後半だった株価を約8000ウォン(約836円)にまでつり上げたり、株価下落を防いだりしたとみている。

 検察の調査によると、犯行が行われていたのは2012年12月7日までのため、今月7日で10年の公訴時効が成立した。しかしクォン前会長らが起訴されたことで、公訴時効はひとまず停止されている。この事件にかかわった疑いが持たれているキム・ゴンヒ女史の場合、起訴された被告人たちとの共謀関係が立証されてはじめて、公訴時効が停止されたとみなせる。

チョン・ヘミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1071967.html韓国語原文入力:2022-12-16 17:57
訳D.K

関連記事