「外交部は、日帝強占期(日本の植民地時代)に行われた強制動員行為が人権侵害だとみなしているんですか?」
8日に行われた外交部のバックブリーフィング(記者会見後の非公式の質疑応答)で出た記者団からの質問だ。同日のブリーフィングは、植民地時代に朝鮮女子勤労挺身隊として強制動員された被害者で、30年間韓国と日本を行き来しながら「法廷闘争」を行ってきたヤン・クムドクさんの国民勲章牡丹章授与が、外交部の要請で突然保留になった直後に開かれた。
バックブリーフィングで記者たちは「叙勲法のどこに事前協議をするよう記されているのか」、「外交部がなぜ人権賞授与の関係省庁なのか」など、「叙勲保留事態」に対する質問を矢継ぎ早に投げかけた。
しかし、外交部関係者は始終「次官級協議で事前調整することになっている」、「手続き上の問題を提起しただけ」という的外れな回答を繰り返した。このような態度のために、しまいには強制動員問題に対する外交部の真意を疑う質問まで出た。
これまで外交部は、強制動員問題に関する質問に明快な回答を出してこなかった。日本と絡んだ外交問題であるため、詳しい説明が難しいというのがその理由だった。
問題は、当事者である強制動員被害者でさえ、政府から何の知らせも聞いていないという点だ。被害者側では、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足した後、政府との意思疎通が事実上途絶えたと言う。彼らはむしろ記者たちに「強制動員問題の議論はどうなっているのか」と尋ねる状況に至った。
外交部が四半期ごとに進めていた被害者側との面会は、外交部の一方的な決定を説明する場になった。外交部は8日、光州で行われた被害者支援団体との面会でも「ヤンさんの叙勲をなぜ妨げたのか」という抗議に対して「叙勲に反対するわけではないが、手続き上、関係機関との事前協議が必要であり、これに関する報告を受け取るのが遅かったため、(遅れて)意見を出した」と釈明しただけだった。
政府が日本ばかりを気にしている間、強制動員被害者側の人たちは再び「独り立ち」した。
外交部が保留した「人権賞」も、彼らが自ら授与することにした。被害者支援団体である日帝強制動員市民の会は11日、光州のあるカフェで、ヤン・クムドクさんに市民が作った「私たちの人権賞」を授与した。12日は、2019年に大韓民国人権賞を「外交部の特別な異議申立てなしに」受賞した故イ・クムジュ太平洋戦争犠牲者光州遺族会長が死去して1年目になる日だ。