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韓国、「気候悪党」になるつもりなのか…炭素排出量10位なのに責任意識見られず

登録:2022-12-10 06:27 修正:2022-12-10 08:24
[ハンギョレS] 親切な記者たち 
経済規模10位、炭素排出量10位…COP27で薄い存在感 
ハン・ファジン環境部長官が11月15日、第27回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)総会で演説している/ 聯合ニュース

 先月、エジプト海岸都市シャルム・エル・シェイクへ取材に行ってきた。11月なのに、そこは肌が焼けるほどの日差しが降り注ぐ真夏だった。気候変動で危機に瀕した地球を救うため、世界から198カ国が集まり、膝を突き合わせて日差しのように熱い交渉と会議を相次いで開いた。

 「第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議」(COP27)という名前の同会議は、新型コロナウイルス感染症が急速に広がった2020年を除き、1995年から毎年大陸別に順番で開かれている。当初11月6~18日に予定されていた会議は2日も延長され、20日に幕を下ろした。

 「グローバルホットイシュー」である気候危機に対応するための会議の現場で、一つ非常に残念だったことがある。それは韓国政府の存在感をなかなか感じられなかったという点だ。 韓国は昨年、経済規模が世界10位、1人当たりの国民所得が3万5千ドルの高所得国であるうえ、主要20カ国・地域(G20)に属するなど主要国の位置を占めている。

 一方、韓国の高まった国際的地位の裏には二酸化炭素排出の責任もある。昨年、韓国の炭素排出量は6億1600万トンで、世界10位だった。これは英国(3億4600万トン)、オランダ(1億4100万トン)、ベルギー(9500万トン)、ギリシャ(5600万トン)の4カ国の排出量を合わせたもの(6億3800万トン)とほぼ同じ規模だ。また、昨年の韓国の1人当たりの炭素排出量は11.9トンで、オーストラリア(15.1トン)、米国(14.9トン)、カナダ(14.3トン)、ルクセンブルク(13.1トン)に次いで経済協力開発機構(OECD)38カ国のうち5位だ。しかし、このような事実はあまり知られていない。グリーンピースのチャン・ダウル専門委員は「外国の気候活動家にこのような事実を言えると驚かれるほど、韓国の高い排出量の規模がまだあまり認識されていないようだ」と語った。

 このように韓国は経済的な「能力」を持っており、炭素排出においても気候危機に「責任」があるだけに、国際社会で存在感のある役割を果たさなければならない。しかし、今回の会議ではそうではなかった。

 今回の会議の核心イシューは「損失と被害基金の新設」問題だった。先月16日の現地記者懇談会で、これに対する韓国政府の役割についての質問に、韓国代表団の首席代表を務めるハン・ファジン環境部長官は「新規財源の樹立が決まれば、韓国もどのような寄与をするのか関係省庁が協議して決められる」と答えた。極めて原則的な立場であり、支援する能力と炭素排出の責任のある国として気候危機への対応に向けたいかなる意志も感じられない答弁だった。

 総会最終日、この「損失と被害基金の新設」が合意文に盛り込まれる成果があった。能力と共に責任もある韓国政府は、これから同基金にどれだけ貢献するかを答えなければならない。気候危機を世界の人々が肌で感じている今、気候危機に責任があるにもかかわらず対応に消極的な国は「気候悪党(Climate Villian)」という汚名を着せられ、先導的に対応する国は拍手されるのが現在の雰囲気だ。韓国政府は悪党になる道を選ぶのか、それとも拍手される道を選ぶのか。また、来年アラブ首長国連邦のドバイで開かれる第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)でも、依然として影の薄い存在になるのだろうか。

キム・ギュナム気候変動チーム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1071005.html韓国語原文入: 2022-12-09 22:11
訳H.J

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