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大韓航空機、オーバーラン…着陸やり直す過程でのブレーキ故障と推定

登録:2022-10-25 05:58 修正:2022-10-25 07:12
人命被害はないが…旅客機大きく破損 
政府、事故収拾本部を設置し現地派遣
24日、フィリピンのマクタン・セブ空港で滑走路を外れて止まった大韓航空旅客機の機体の一部が破損した様子。173人の乗客が搭乗した問題の旅客機は、気象悪化のため、マクタン空港に着陸した直後、滑走路を外れた。当局は、搭乗者全員が無事であると発表した。同事故で空港は暫定閉鎖された/聯合ニュース

 乗客と乗務員170人余りを乗せた大韓航空の旅客機が、深夜の悪天候の中、フィリピンのマクタン・セブ空港に着陸する途中で滑走路を外れる事故が発生した。人命被害はなかったが、旅客機が大きく破損した。最終着陸前に2回にわたり着陸を試みる過程で、ブレーキが故障した可能性があるとみられる。

 24日の国土交通部と大韓航空の説明によると、23日にフィリピンのマクタン・セブ空港に向けて仁川国際空港を出発した大韓航空の旅客機A330-300(便名KE631)が着陸滑走路を離脱(オーバーラン)した。大韓航空は「現地の気象悪化で3回着陸を試みた末、当初到着予定時刻より1時間ほど遅れた23日午後11時7分(現地時間)に着陸したが、滑走路を通り過ぎて停止した」と明らかにした。事故機に乗っていた乗客162人と乗務員11人は、非正常着陸後、スライドに乗って緊急脱出した。人命被害はなかったが、高齢者など一部の乗客は空港内の診療所(クリニック)で健康状態を確認した後、宿泊施設などに復帰した状態だ。

 滑走路離脱はブレーキ故障のためと推定される。事故機の機長は、現地で行われた初期調査で「2回目の着陸失敗で再び上昇(ゴーアラウンド)した後、上空でブレーキ油圧装置に警告灯がついた」と供述したという。着陸やり直しの際、強力な下降気流(ウィンドシア)が航空機を下方に押しつけ、航空機の車輪と地面が強く衝突し、この過程でブレーキシステムが故障したという説明だ。事故機はブレーキ油圧装置の警告灯が点灯したことを受け、非正常着陸のための非常宣言をし、管制案内に従って3回目の着陸を試み、十分に減速できないまま走って滑走路を外れた。

 これに伴い、2回も「ゴーアラウンド」をしなければならなかったほど気象条件が良くない状況で、マクタン・セブ空港に着陸を繰り返し試みたことが適切だったかなどについて、様々な議論を呼ぶものと予想される。着陸を試みた当時、空港の滑走路には突風と乱流が強く、視界の確保もできなかったという。着陸決定は旅客機単独ではできず、管制決定に従うものであるだけに、フィリピン空港側の帰責の可能性が浮上する可能性もある。航空業界では機体に異常が生じた状況で非常着陸は避けられない決定だったという見方も多い。

 政府と大韓航空は事故原因の把握と収拾のために奔走している。国土交通部は航空政策室長を班長とした事故収拾本部を設置して被害状況を把握し、航空鉄道事故調査委員会の調査官3人と国土交通部の航空安全監督官2人を現地に派遣した。大韓航空は事故発生認知後、24日午前1時に経営層主宰で総括対策本部を招集し、事故状況を把握した。また、代替航空機を投入し、計40人余りの人員を現地に派遣した。乗客は事故後、航空会社が提供したホテルに移動するか、本人が予約したホテルまた自宅に移動した。大韓航空はウ・ギホン社長の名前で発表した謝罪文で「現地航空当局および政府当局と緊密に協力し、早期に状況が収拾されるようにする」と明らかにした。

チェ・ハヤン、チェ・ウリ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1064002.html韓国語原文入:2022-10-25 02:43
訳H.J

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