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米主導の「太平洋島嶼国協議体」による中国牽制…韓国も参加するか

登録:2022-09-21 06:25 修正:2022-09-21 07:34
米日英豪とニュージーランドの5カ国による支援枠組み 
「韓仏独3カ国、オブザーバーとしての会議出席を調整」
尹錫悦大統領と米国のジョー・バイデン大統領が5月、ソウル龍山国立中央博物館で開かれた歓迎晩餐会で乾杯している=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 中国牽制を目指し、米国、日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国が太平洋島嶼国との支援に向けて設立した「パートナーズ・イン・ザ・ブルー・パシフィック(青い太平洋のパートナー、PBP)」に、韓国、フランス、ドイツが参加を検討しているという。韓国外交部は「確定していないが、検討中」だとして、報道内容を認めた。

 読売新聞は20日、複数の政府関係者の話として、「5カ国は国連総会に合わせ、今月下旬に米ニューヨークで外相会合を予定している。フランス、ドイツ、韓国の3カ国が枠組みに加わることを検討しており、まずは外相会合にオブザーバーとして出席する方向で調整が進められている」とし、「枠組みの拡大で対中包囲網を更に強化したい考え」だと報じた。同枠組みに参加する5カ国の外相会合は22日、ニューヨークで開かれる。

 外交部当局者はこれについて「確定ではないが、グローバル中枢国家を追求する韓国政府は、太平洋島嶼国と互恵的協力を強化することを重視している。このような構想に力を貸すのに開かれている」と述べた。外交部がこのような態度を示したことを受け、22日の会合にはニューヨークを訪問中のパク・チン長官も出席する見通しだ。韓国が同枠組みに参加すると、5月末の「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)に続き、中国を狙った二つ目の枠組みに名を連ねることになる。

 同紙は韓国などが参加するようになった背景について「フランスは南太平洋ニューカレドニアに領土を持ち、中国の海洋進出に神経を尖らせている。ドイツもインド太平洋地域に対する外交戦略をまとめ、同地域への関与を強めている」と報道した。韓国に対しては「尹錫悦(ユン・ソクヨル)新政権のもとで中国とは一定の距離を置き、米国との関係強化に傾斜する姿勢が目立っている」と指摘した。

 米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル・インド太平洋調整官も19日(現地時間)、米カーネギー国際平和財団が開催したフォーラムで、「アントニー・ブリンケン国務長官が22日、PBP会合を開く。同枠組みに数カ国がさらに参加する計画だ」と述べた。ただし、追加参加国の名前は明らかにしなかった。キャンベル調整官は太平洋地域の懸案に対応するためには、ASEAN(東南アジア諸国連合)、オーカス(米英豪の安全保障同盟)、クアッド(米日豪印の4者協議体)など類似の立場を持つ国々の協力が重要だと強調した。

 米国など5カ国は経済・外交分野において太平洋島嶼国との協力を強化するため、今年6月にPBPを発足させた。気候変動による海水面上昇など太平洋島嶼国が直面した懸案に対する対応だけでなく、この地域でますます影響力を拡大する中国を牽制するための動きとみられる。米国のジョー・バイデン大統領は28~29日、米ワシントンで太平洋島嶼国首脳らと初の首脳会議も開く。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1059343.html韓国語原文入力:2022-09-21 02:30
訳H.J

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