台風11号「ヒンナムノー」が嶺南地域を襲った6日、隣接した河川の氾濫で浸水した慶尚北道浦項(ポハン)のAマンションの地下駐車場の捜索が最終段階に入った。
7日午後、パク・チミン浦項南部消防署長は同マンションでの現場ブリーフィングで、「6日から2日間消防、警察などと共に8回捜索した結果、行方不明者9人(生存2人、心停止推定7人)を救助した。捜索の度に車内と下まで捜索しており、追加で行方不明者が出る可能性は低いが、残った水がはけた後に万が一把握していなかった行方不明者が出てくる可能性を考え、消防当局が引き続き捜索作業を続ける予定だ」と明らかにした。
排水率85%だった同日午後4時頃、第1団地の地下駐車場には依然として60センチの深さで水がたまっており、水面上に現れたスロープもやはり泥で覆われていた。床の泥のため大容量放水砲が使用できず、排水ポンプだけを稼動し、排水率は午前から上昇速度が遅かった。駐車場に残っている66台の車は爆撃を受けたかのようにあちこちに散らばり、積み重なっていた。駐車場ではツンとする匂いがして、靴や人形、ウェットティッシュなどが浮いていた。救助当局は捜索隊116人が駐車場に一列に並んで前に進む底引き網方式で行方不明者を探索した。
団地の地下駐車場の行方不明者らは皆、入り口や非常階段側に集まっていた。発見当時、生きていた2人を除き、残りの行方不明者は皆意識のない心停止状態だった。
行方不明者の捜索は最終段階に入ったが、マンションの住民たちは依然として断水と停電で困難を負っていた。マンションの地上空間も河川氾濫の際に押し寄せた泥で、正常な通行ができなかった。団地の入口では義勇消防隊、大韓赤十字社の要員たちが住民たちにミネラルウォーターとカップラーメンなどを提供した。住民のCさん(67)は「秋夕(チュソク、旧暦の8月15日の節句)を控え、いろいろと買い物をして冷蔵庫に入れておいたが、停電で腐るのではないか心配だ。早く捜索が終わり、非常発電機を稼働して電気を使えるようにしてほしい」と語った。
浦項市は同日、台風被害額を約2013億ウォン(約210億円)と暫定集計した。捜査当局は地下駐車場の排水と行方不明者の捜索が完了すれば、合同鑑識などで正確な被害規模と事故原因などを調査し、本格的な復旧作業に乗り出す予定だ。