大統領警護処が、来年度予算を対今年比20%ほど拡大して編成したことが確認された。大統領室の龍山(ヨンサン)移転に伴う費用が予想以上に大幅に増加したことが明らかになった中で、警護費用まで拡大したことが確認され、議論がさらに高まるとみられる。
韓国政府が先月30日に公開した2023年予算案を調べた結果、大統領警護処の歳出予算は1163億2200万ウォン(約120億円)であることが4日確認された。今年の予算(969億9600万ウォン)より19.9%(193億2600万ウォン=約20億円)も増加しており、今年の予算に対する来年の政府予算の増加率5.2%よりも4倍高い水準だ。
大統領警護処の予算が大幅に増えたのは、大統領室と大統領官邸が龍山に移転して、警護体系が変わったことによるものとみられる。企画財政部の関係者はこの日、ハンギョレとの通話で「最近あった日本の安倍晋三元首相の殺害事件などで、警護強化の必要性が生じ、科学警護装備が追加されたことによる」とし、「龍山は四方がオープンな構造だ。そのようことに対する警護の追加が必要だった」と話した。具体的にどのような科学警備が追加されたかは公開されていないが、ドローン(無人機)などが含まれているという。これに先立ち、大統領室警護処は7月12日に報道資料を出し、「大統領執務室の移転や龍山公園の開放など、尹大統領の国民とのコミュニケーション強化の意志を実現するために、人工知能(AI)X線などを導入し、AI科学警護・警備プラットフォームを構築することにした」とし、ロボット犬と警備ドローンなどを導入する意向を示している。
大統領室と警護処側では「警護・警備の先端化に向けた予算が反映されたのは事実」としながらも、安倍元首相殺害事件とは「直接的な関係はない」と一線を引いた。大統領室関係者は特に、「李明博(イ・ミョンバク)元大統領の保釈、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の赦免、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の退任などで警護対象者が増加し、人材と装備、施設が拡充される必要があった」とし、「大統領室と官邸移転に関しては、軍が警備・防護業務を一緒に行うことになり、費用が大きく増加したわけではない」と語った。