尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は22日、統一部から業務報告を受け「北朝鮮が実質的な非核化を受け入れる場合に提示する大胆な提案について現実性のある方案を詳細に準備せよ」と指示した。国防部には北朝鮮による核脅威に対応するためのミサイル防衛システムの構築を強調した。
クォン・ヨンセ統一部長官はこの日、龍山(ヨンサン)の大統領室で業務報告を終えた後のブリーフィングで「最も重点的に報告した事項は、『大胆な計画』を中心に北朝鮮の非核化と南北信頼構築の好循環を推進していく方案」と述べた。「大胆な計画」とは、尹大統領が就任の辞で明らかにした対北朝鮮政策の概念だ。
クォン長官は「大胆な計画については、北朝鮮が提起する安全保障の憂慮および要求事項などを含め、経済的・安保的な総合的次元の相互段階的な措置を包括的に盛り込む方案を報告した」と説明した。北朝鮮の安保憂慮の解消、経済難の克服などを通じて、北朝鮮がもはや核を開発する必要を感じないほどの計画を構想中とクォン長官は強調した。韓国政府は韓米間の緊密な調整および共助を経て、近い将来にこれを対北朝鮮提案に具体化し、提示する方針だ。
非核化の進展に合わせて段階的に推進するという「大胆な計画」が、李明博(イ・ミョンバク)政府の失敗した対北朝鮮政策構想「非核開放3000」を連想させるという指摘に対して、韓国政府の関係者は「大胆な計画の特徴は、経済的な措置の他に北朝鮮が核を開発する根拠としている安保憂慮にまでアプローチすること」だと説明した。
イ・ジョンソプ国防部長官は、尹大統領に連合空母強襲団訓練、連合上陸訓練など、連隊級以上の韓米連合野外機動訓練を再開すると報告した。この訓練は、来年3月の前半期の韓米合同演習時に再開されると発表された。首都圏を脅かす北朝鮮の長射程砲迎撃システムの戦力化の時期を、当初の2029年から2~3年操り上げる計画だ。
国防部は、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応するため韓国型3軸体系の能力を強化し、中・長距離地対空ミサイルの戦力化および性能改良、弾道弾早期警報レーダー2の戦力化などを通じて、複合多層ミサイル防衛システムを早期に構築する計画だと報告した。
この日の業務報告では、関心を集めた「西海(ソヘ)公務員殺害事件」と「北朝鮮漁師送還事件」に関する内容は全く議論されなかったという。政府関係者は「ただし、尹大統領は南北関係のすべての部分について憲法と法律の原則にもとづいて処理しなければならないと、この程度の話はあった」と伝えた。