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親戚や知人に続き、知人の息子まで…公正を破った韓国大統領室、「私的採用」で物議

登録:2022-07-18 01:41 修正:2022-07-18 07:13
採用など人事問題に世論は冷ややかだが 
「『私的採用』という言葉に同意できない」 
「世論を受け入れて態度を変えるべき」との批判も
尹錫悦大統領が今月16日午後、忠清南道保寧の大川海水浴場で開かれた「2022保寧海洋マッド博覧会」の開幕式に出席し、手を振っている=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領室の「私的採用」が物議を醸している中、大統領室はこれを「不当な政治攻勢とフレーム付け」だと抗弁した。尹大統領の支持率下落の主な原因とされる人事をめぐる議論が「不当だ」という態度であり、大統領室は依然として国民の目線とかけ離れているという批判の声があがっている。

 大統領室高官は17日、龍山(ヨンサン)の大統領室で、採用過程をめぐる議論と関連した記者団の質問に対し、「業務能力を忠実に検証しており、適法な手続きを踏んで選抜された方々」だとし、「経歴の検証と身辺検証など徹底した過程を経て任命されるため、相応しくない人々が採用されることはほとんどなく、『私的採用』という言葉にも同意できない」と答えた。「尹大統領が強調する公正と常識にも反する」という野党の批判に対しては、「全党大会を控えているため、様々な政治的主張が大きく増幅して聞こえるのではないか」とし、単なる政治攻勢だと主張した。

 これまで大統領室の私的採用として取り上げられたのは、尹大統領の母方の6親等であるC先任行政官、尹大統領の長年の知人の息子であるH行政官、W行政要員などだ。実際の採用にはつながらなかったが、イ・ウォンモ人事秘書官の妻のS氏が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の日程に「その他の随行員」として同行し、尹大統領夫妻を補佐したことも物議を醸した。彼らのうち、W氏とS氏、S氏の母親は昨年、新人政治家だった尹大統領にそれぞれ1000万ウォン(約105万円)を後援した事実も確認された。また、尹大統領の夫人のキム・ゴンヒ女史が運営していた「コバナコンテンツ」の職員2人が、キム女史に随行するために大統領室総務秘書官室などに採用されたことや、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の慶尚南道梁山(ヤンサン)の自宅前で「暴言デモ」を行っている極右ユーチューバーの実姉のA氏が大統領室に勤めた事実が明らかになり、大統領室の採用基準と検証手続きに対する疑問は大きくなった。波紋が大きくなるとA氏は辞職したが、大統領室はA氏がどのような経路で大統領室に採用されたのかを明らかにしていない。

 大統領室は私的採用が議論になるたびに「何が問題なのか」という態度を示している。尹大統領も6親等が大統領室に勤めている事実が明らかになると、8日「公に熱心に選挙運動をしてきた同志」だとし、大したことではないという反応を示した。行政要員のW氏問題が浮上すると、自分の地方区の選挙管理委員の息子である彼を推薦したと明らかにした与党「国民の力」の代表職務代行兼院内代表のクォン・ソンドン議員は同日、「前政権時代のことは言わず、私たちが選挙対策委員会と引継ぎ委での仕事ぶりを認めて推薦した人を批判するのは、ダブルスタンダード」だと主張した。

 議題と戦略グループ「ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は「似たような論議が繰り返されている印象を与えるうえ、これを受け止める大統領室の態度とメッセージが問題を大きくしている」とし、「職員数人の人事が大きな問題になって不当だと思ったとしても、世論の指摘を受け入れ、態度の変化を図る必要がある」と指摘した。明知大学のシン・ユル教授(政治外交学)も、「大統領室の職員から内閣の人選まで繰り返される検証問題について、国民の目線はどういうものなのか、よく考えなければならない」とし、「真摯に謝罪し、変化した姿を見せる必要がある」と述べた。

キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1051278.html韓国語原文入力: 022-07-18 00:14
訳H.J

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