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尹大統領、自宅→執務室8分で出勤…「統合、当然のこと」就任演説について重ねて釈明

登録:2022-05-12 03:07 修正:2022-05-12 08:43
ラッシュアワーのさなかに出勤
尹錫悦大統領が11日、ソウル瑞草区の自宅から龍山の大統領室庁舎に出勤するために車に乗り込んでいる=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が11日にソウル瑞草区(ソチョグ)の自宅から龍山(ヨンサン)の大統領室まで初出勤するのにかかった時間は、約8分だった。警察による事前の交通規制で動線を管理したことで、懸念されていた交通渋滞は起きなかった。

 尹大統領は11日午前8時21分、妻のキム・ゴンヒ女史と共にペットの2匹の犬を連れて瑞草洞(ソチョドン)のアクロビスタ前に姿を現した。約2分後、尹大統領は車で出発し、8分後の8時31分に大統領執務室へと通じる龍山の米軍基地13番出入口に到着した。距離は6.4キロで、普段は約15分かかる区間だ。瑞草洞から盤浦(パンポ)大橋へとつながるソウル聖母病院交差点は出勤時間の代表的な渋滞区域だが、交通規制による大きな混雑はなかった。警察は尹大統領の出勤に際して道路の全面規制は行わず、1、2車線のみを確保した。実際にこの日のSNSには、車に乗って盤浦大橋を渡っていた市民が隣の車線から移動する大統領の車列を撮影した映像をあげてもいる。

 ただ、尹大統領の出勤時刻は予想より遅れた。会社員の出勤時間帯を避けて早朝7時前後に家を出るとの見通しが有力だったが、尹大統領は午前8時23分、いわゆる「ラッシュアワー」に家を出た。警察庁の関係者は「混雑する時間帯だったが、大統領の出勤によって交通が渋滞したところはソウル一帯ではなかった。出勤時間はその日の日程によって異なるだろう」と語った。尹大統領の瑞草と龍山との間の出勤と帰宅は、漢南洞(ハンナムドン)の公館のリフォームが終わる来月初め、もしくは中旬まで続く。警察は、交通状況と警護の事情によっては大統領の出勤経路として盤浦大橋だけでなく銅雀(トンジャク)大橋、漢南(ハンナム)大橋、漢江(ハンガン)大橋も用いる計画だ。尹大統領の漢南洞の公館入居後には、大統領の出勤、帰宅の距離は約3キロに縮まる。

尹錫悦大統領の車列が11日午前、ソウル瑞草区の瑞草中央路を通って龍山の大統領執務室へと向かっている/聯合ニュース

 龍山庁舎に到着した尹大統領は、初出勤の感想を尋ねる取材陣に、「昨日の私の就任演説は統合の話が抜けていると指摘される方々がいるが、(統合を取り上げなかったのは)当然のことだからだ」と口を開いた。就任演説には韓国社会の最も急がれる課題である統合のメッセージが抜けているとの指摘がなされていることから、先手を打って釈明したかたちだ。尹大統領は「我々の政治過程そのものが国民統合の過程」とし、「統合を、どのような価値を志向しつつ行うかを話したのだ。そのように理解してほしい」と述べた。

 尹大統領はこの日、初めて主宰した首席秘書官会議でも「憲法というものこそ、国民がひとつに統合されるための規範」と述べつつ、自分は統合という価値を見過ごしてはおらず、それは「自由」ともつながっているということを重ねて強調した。尹大統領は「我々は、基本価値は共有し、共に進まなければならないということ」とし「福祉や教育、弱者に対する温かい配慮、こういったものこそ、自由市民として連帯を強化しなければならないという責務に則ったものだと認識すべき。これに対する共感と共同の価値をもって進んでいく時、真の国民統合、国民がひとつになれるのではないか」と述べた。

ペ・ジヒョン、パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1042471.html韓国語原文入力:2022-05-11 18:23
訳D.K

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