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4人が死亡した韓国空軍の訓練機事故、飛行経路変更を知らせず衝突

登録:2022-04-28 02:43 修正:2022-04-28 08:41
空軍、事故原因調査の結果を発表…管制官も把握できておらず
KT-1は国防科学研究所と韓国航空宇宙産業(株)が開発した航空機で、パイロットの基本訓練機として運用されている=空軍本部のウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 今月1日に慶尚南道泗川(サチョン)の上空で韓国空軍のKT-1訓練機2機が衝突し、4人が死亡した事故は、パイロットと管制官の過失が重なって起きたことが調査で分かった。事故機の機体の欠陥や、操縦席を非常脱出させる射出機の作動欠陥はなかった。

 27日に発表された空軍による事故調査の結果によると、事故当日、慶尚南道泗川の空軍第3訓練飛行団では、編隊飛行で組となる2機の訓練機(A、B)が10秒間隔でまず離陸し、続いて35秒後に他の訓練機1機(C)が離陸した。

 先に離陸した2機のうちのA訓練機は、飛行教授(軍務員)が操縦していた。B訓練機の訓練中のパイロットは、先を行くA訓練機を肉眼で見ながら後を追う視界飛行訓練を行っていた。2機の後に離陸したC訓練機は、計器飛行(計器板に頼る飛行)訓練を行っていた。

 編隊を組む2機のうち、前を飛行していたA訓練機のパイロットは、飛行経路に雲がかかっているのを見て経路を変更したが、その際に義務となっている経路変更通知をしていなかった。C訓練機はA訓練機が経路を変えたことを知らずに飛行していた。経路を変えたA訓練機はC訓練機を衝突直前に避けることができた。しかしA訓練機を追って視界飛行を行っていたB訓練機は、前に突然現れたC訓練機を避けることができなかった。B機とC機が衝突してしまったのだ。

 管制官は訓練機の経路異常を探知し、これを正さなければならなかったが、事故当時、他にも多くの飛行機が飛んでおり、A機とB機の経路変更を把握できていなかったと供述したという。

 空軍の関係者は「パイロットが操縦手続きを順守しておらず、衝突直前に適切な回避機動も取れておらず、前方の空中警戒も疎かにしていたことが分かった。管制官が積極的な管制助言ができていなかったことも事故の原因となった」と述べた。空軍は、経路を変更する際にそのことを知らせなかったA訓練機のパイロットと管制官、担当指揮官などの過失がある関係者を問責委員会に付し、処罰を決定する予定だ。空軍は、事故後にすべての管制官とパイロットに対して空中衝突防止対策の徹底などの類似事故防止教育を行ったと発表している。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1040635.html韓国語原文入力:2022-04-27 17:30
訳D.K

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