本文に移動

韓国、飲食店や桜並木に客足戻る…近づいた「平凡な日常」への期待

登録:2022-04-06 10:30 修正:2022-04-06 11:07
営業時間午前0時まで延長、距離措置緩和の初日 
夜の街は賑わい、桜並木も花見客であふれる
社会的距離措置の調整により、私的な集まりの最大人数10人まで、大衆利用施設の営業時間が午前0時まで緩和された今月4日夜、ソウル松坡区の飲食店街を訪れた人々が行き来している/聯合ニュース

 新型コロナウイルスの拡散に伴い、韓国では2020年5月3日に始まった「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」が段階的に緩和され、全国が浮き立っている。今月18日から距離措置を全面解除する案まで検討され、これから「平凡な日常」を取り戻せるという市民の期待が高まっている。新型コロナの最大被害者とされる自営業者らは、距離措置が終われば売り上げもコロナ前の水準に回復するだろうという希望に胸を膨らませた。

_________
賑わう食堂街…日常回復への期待

 事実上最後の距離措置となる「集まりは10人まで、午前0時まで営業」が始まった今月4日、全国の夜の街は活気にあふれていた。

 ネイバーや斗山グループ本社など大手企業が集まっている京畿道城南市盆唐区(ソンナムシ・プンダング)の亭子(チョンジャ)駅一帯は、30~40代の会社員たちで賑わっていた。冬までは閑散としていた飲食店や居酒屋は、近くの街路まで笑い声が聞こえてくるほど活気に満ちていた。先週まで「昼酒歓迎」という看板まで掲げていた居酒屋は、この日この看板を外した。店主のJさんは「これまでは早めの夕方の時間帯に来る客が多く、このような看板もつけていたが、もう要らなくなった」と話した。ここを訪れた会社員のPさんも「もう時計を見ながらご飯を食べお酒を飲む風景は消えそうだ」と話した。

 もともと午後9時に閉店していた近隣の中華料理店や一般飲食店の店主らも、「営業時間の緩和にはあまり影響はなかったが、集まりの制限人数が緩和されたのでほっとした」と語った。近くの焼肉店の店主のOさんは、「(距離措置が緩和された初日の)今日は、雰囲気が違う。皆が望む通り距離措置が完全に解除されれば、新型コロナ前の売り上げが期待できそうだ」と言いながら忙しく動いた。

 地方でも同じような雰囲気だった。江原道春川市恩義洞(チュンチョンシ・オンウィドン)でビアホールを経営しているKさん(54)は、「普通2~3次会の来客が多かったため、営業時間制限によって苦労した。なんとか距離措置が深夜0時まで延長され、コロナ前ほどではないが、売り上げと客が少し増えたようだ」と話した。

 新型コロナによる売上急減で弁当配達業に転換した光州市東区(クァンジュシ・トング)の韓国料理店は、8日に再オープンする計画だ。店主のオ・ジョンソンさんはこの日、昔の常連客に「これからは少しは良くなるかと思いながら、もう2年がすぎます。春を迎え、これまでできなかった営業を新たに始めます」というメールを送った。オさんは「品数が多く、値段の高い定食の代わりに、単品中心にメニューを変えて営業を始める」と語った。

 早く距離措置を全面解除するよう求める声も出ている。ソウル中区(チュング)の日本料理店の店長Yさんは「10人以上の団体予約がきている。人々のあいだではコロナの恐怖心も大きく減ったようだ」とし、「もう人々が率先して防疫規則を徹底的に守っているのだから、早めに人数制限をなくしてほしい」と話した。

 釜山市釜山鎮区西面(プサンシ・プサンジング・ソミョン)の「若者通り」で海鮮料理店を経営してきたCさん(39)は、「距離措置規制が少しずつ緩和され、やっと一息つける。2週間後には制限を完全に解除してほしい」とし、「コロナ時局で生き残るために政府金融支援を含め、あちこちから金を借りた。融資の満期を延長したり、元利金の返済も延期してほしい」と語った。

今月1日、桜が満開になった慶尚南道昌原市鎮海区の余佐川付近の様子。新型コロナ事態のため国内最大の桜祭りである鎮海軍港祭は開かれなかったが、桜を見る観光客で賑わった=昌原市提供//ハンギョレ新聞社

_________
満開の桜並木にあふれる市民たち

 春が早めに訪れた韓国南部地域は、花見客で賑わっている。毎年3月末~4月初めには観光客300万人を集めた国内最大の桜祭りである昌原市(チャンウォンシ)の「鎮海軍港祭」は、2020年から3年連続で開催されなかったが、桜並木は市民で賑わった。市は2020年には車両と観光客の出入りを全面統制したが、昨年から観光客の出入りは止めていない。

 昌原市観光課のコン・ジョンベ主務官は、「昨年の桜の満開期の3月27日~4月2日、(代表的な桜並木の)余佐川と慶和(キョンワ)駅の訪問者数は8万人ほどだった。今年は土曜日だった今月2日には1日9万人余りが訪れ、3日にも8万人余りが訪れた」と述べた。

 全羅南道の代表的な桜の名所である霊岩郡(ヨンアムグン)の王仁博士遺跡地にも、観光客の足が続いた。霊岩郡は2020~2021年にかけて王仁博士遺跡地を閉鎖したが、今年は無料開放した。霊岩郡は桜が咲き始めた先月末から現在まで20万人が訪れたと推算している。

 ソウルの有名な桜並木も3年ぶりに全面開放される。最も多くの人が集まる汝矣島(ヨイド)の桜並木は9日から17日まで、松坡区(ソンパグ)の石村湖の桜並木は先月25日から今月10日まで開かれる。瑞草区(ソチョグ)も先月30日から良才川など主な河川の桜並木(今月15日まで)を開放した。

 政府は4日から2週間、距離措置の基準を緩和し、飲食店やカフェなどが「私的な集まり10人以内、午前0時まで」営業できるようにした。また、2週間の流行規模と医療需給状況などが安定したと判断されれば、室内マスク着用など主要な防疫規則を除いた全ての距離措置を解除する案を検討する方針だ。

キム・ギソン記者、全国総合 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/1037594.html韓国語原文入力:2022-04-06 02:39
訳C.M

関連記事