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「龍山大統領執務室」のために…国防部、韓米合同演習に支障ない部門から順次移転

登録:2022-04-01 20:34 修正:2022-04-02 09:37
大統領府-尹次期大統領側、意見の相違狭める 
来週、予備費一部議決の可能性
ソウル市龍山区の合同参謀建物(左)と国防部庁舎/聯合ニュース

 大統領執務室の移転問題を協議中の大統領府と尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領側が、4月の韓米合同演習に参加しない、あるいは業務の関連性が少ない国防部の内部組織から順次移転することで意見の相違をすり合わせた。両側が意見の相違を狭めたことにより、来週中にも執務室移転のための一部予備費が国務会議で議決される可能性が高まった。

 1日の本紙による取材の結果、国防部は最近、大統領職引き継ぎ委員会と大統領府に対し、大統領執務室の龍山(ヨンサン)移転計画などを報告し、両側の意見をまとめ韓米合同演習の実施に支障のない部署から順次移転する方案を有力に検討している。韓米の軍当局は今月12日からの4日間、事前演習である「危機管理参謀演習」を、18日から28日までは本訓練である「合同指揮所演習」を実施することを暫定的に決めた。

 これまで尹次期大統領は、就任と同時に龍山執務室での執務を希望し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は執務室移転にともなう安保の空白があってはならないとの立場を固守していた。特に文大統領は、北朝鮮が大陸間弾道弾を試験発射するなど軍事的緊張を高めている状況で、今年の韓米合同演習が実行されるうえで執務室の移転が障害になってはならないとの思いが強かったという。「新政府のスタートまでの期間が逼迫する中で、秘書室など補佐陣・警護処の移転は無理」というのが文大統領と大統領府の認識だったが、執務室の移転は尹次期大統領の重要事業であるだけに、韓米合同演習に支障のない線で協力する側に旋回した。

 大統領府の立場としては、現政権が全く協力しない形で尹次期大統領が通義洞(トンウィドン)の臨時事務室で就任を迎えることが負担になったし、尹次期大統領側としても韓米合同演習があるのにむやみには国防部の移転を要求できない状況だった。互いに政治的負担を感じた両側が、一歩ずつ譲歩し意見の違いを狭める側に動いたわけだ。大統領府のイ・チョルヒ政務首席とチャン・ジェウォン次期大統領秘書室長も電話で緊密に意思疎通したという。

 これに伴い、来週中には執務室移転費用が国務会議で議決されるとみられる。大統領府の関係者は、「交渉が大きく進みつつある状況」とし「来週5日に予定された国務会議で議決するよう努力するが、その日までにできなければ週の後半に首相の主宰で緊急国務会議を開き、処理する可能性もある」と話した。執務室移転のための最小限の費用であるだけに、尹次期大統領が要求した496億ウォン(約50億円)には至らない金額がひとまず執行されるとみられる。引き継ぎ委員会の関係者も「大統領府と協議して、可能な線ですることであり、こうでなくてはならないというものではない」として「当然な道理に合うよう実施するという立場」と話した。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1037232.html韓国語原文入力:2022-04-01 19:17
訳J.S

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