国民の党のアン・チョルス大統領選候補が18日、遊説用のバスの中で死亡した地域委員長の告別式で「いかなる風波にも屈せず、最善を尽くすことで、同志の遺志を受け継ぐ。決して屈しない」と述べ、途中辞退説を一蹴した。19日には医療奉仕を皮切りに、選挙運動を再開する予定だ。
アン候補は同日午前、天安市(チョナンシ)檀国大学病院の葬儀場前で行われたソン・ピョンオ論山(ノンサン)・鶏龍(ケリョン)・錦山(クムサン)地域選対委員長の告別式で、「ソン同氏と私たち皆が追い求めたその道に向かって、私アン・チョルスは鉄のように硬く、太縄のように堅固に歩み続ける」とし、「必ず勝って反則と特権のない世の中、既得権のない公正な世の中、正直な人々が尊重され、汗を流した分だけ認められる世の中を作る」と述べた。弔辞を読みながら何度も涙ぐんだアン候補は「私アン・チョルスは、ソン同志の遺志を受け継ぎ、ソン同志を見送る党員同志たちの無念と決然さを込めて、一層強くなる」とし、「必ず勝利して理念と陣営の時代ではなく、科学と実用の時代を切り開き、大韓民国の歴史に残る新しい時代を切り開く」と強調した。野党の一部で提起されている中途辞退説を一蹴し、大統領選挙で最後まで戦う意志を重ねて強調したのだ。
国民の党の選挙対策委は、死亡した遊説用のバスの運転手の出棺が終わる19日午前9時から、アン候補が医療奉仕を皮切りに選挙運動を再開すると発表した。アン候補は、新型コロナウイルス感染症の治療を受け、退院した妻のキム・ミギョン・ソウル大学医学部教授とともに、ソウル中区(チュング)保健所選別診療所で、新型コロナ検体採取の医療奉仕に乗り出す。国民の党の関係者は、「急速なオミクロン株の拡散により、厳しい状況に苦しむ国民のために少しでも力になればという思いから、今年7月以降、毎週医療ボランティアを行ってきた中区保健所で、夫婦共に医療ボランティアを行うことにした」と伝えた。アン候補は、21日に開かれる大統領選法定テレビ討論も準備する計画だ。
アン候補が再び選挙運動に乗り出したことで、小康状態だった野党候補一本化問題が再び浮上した。国民の力はアン候補の支持率が下落傾向にあり、遊説用のバス事故という悪材料も発生したため、候補同士の談判で譲歩を引き出す可能性が高くなったと見ている。国民の力の選挙対策本部の関係者は「アン候補が支持率で苦戦している上、遊説用バスで起きた死亡事故への重大災害処罰法の適用まで取り上げられている状況で、候補間の談判などを通じ、投票用紙の印刷日(28日)前に一本化する可能性が高くなった」と見通した。
しかしアン候補の「(両者対決の)世論調査に基づく一本化」構想にユン・ソクヨル候補が答えない限り、(一本化に向けた)議論を進められないという国民の党の立場には変わりがない。国民の党選挙対策委関係者は「葬儀が行われる間、選挙運動を一時中止したが、立場は全く変わっていない」とし、「我々が提案した世論調査に基づく一本化に対するユン候補の答えを待っている状況だ」と伝えた。