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韓国大統領候補初のテレビ討論、「疑惑の配偶者たち」の名前が一切出なかった理由は

登録:2022-02-05 09:44 修正:2022-02-05 11:30
 
地上波放送局3社が共同主催した大統領候補討論会が開かれた3日、ソウルKBSスタジオで、シム・サンジョン(正義党)、イ・ジェミョン(共に民主党)、ユン・ソクヨル(国民の力)、アン・チョルス(国民の党)各候補が討論会前の記念撮影を行っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 3日に開かれた第20代大統領選挙初のテレビ討論で、予想外に「配偶者リスク」に対する攻撃は全くなかった。初の討論であるため、候補本人の資質と力量の検証に集中したようだ。

 この日の討論会で候補らの1回目の主導権討論は「自由テーマ」で行われた。候補本人はもとより、家族が関与した疑惑をめぐり、ネガティブ乱打戦が予想されていた。特に旧正月の連休に浮き彫りになった共に民主党のイ・ジェミョン候補の妻、キム・ヘギョン氏に対する過剰な待遇疑惑をめぐる攻防に関心が集中した。これに対する対応として、これまで批判の矢面に立たされていた国民の力のユン・ソクヨル候補の妻、キム・ゴンヒ氏関連の疑惑も論争の的になりうる。しかし候補たちは「配偶者攻撃」を互いに自制した。

 国民の力は大庄洞の開発問題などイ候補本人の疑惑に集中したと説明した。国民の力選挙対策本部のファン・サンム言論戦略企画団長は4日、本紙の電話取材に対し、「キム・ヘギョン氏の過剰待遇疑惑は家族の問題だ」とし、「まず候補本人の疑惑に集中した。2時間という討論時間の間、あれこれ言うと論点がぼやける」と述べた。

 ただ、「キム・ヘギョン氏疑惑」は世論の反応を見守った後、第2回討論から攻勢を繰り広げることもできるという立場だ。ファン団長は「(キム・ヘギョン氏疑惑は)検証に適したカード」だとし、「次の討論会で自然に出るのではないか」と述べた。選対本部関係者も「まだ今後の討論会が残っている」とし「波紋がどれだけなのか、国民的公憤のある問題なのかを判断する」と述べた。

 旧正月連休期間に、キム・ヘギョン氏の過剰待遇疑惑という悪材料に出くわした民主党は、他の候補の集中攻撃を予想して備えたが、第1回討論が静かに終わったため、ひとまず一息ついた。民主党は、キム・ヘギョン氏疑惑攻撃には釈明するものの、キム・ゴンヒ氏疑惑で反撃する計画はなかったという。民主党選挙対策委の関係者は「2時間は政策討論をするにも短すぎる時間だ。暮らしの問題をどう解決するかを検証するにも時間が短い」とし「今後もネガティブ攻撃は避け、政策討論をするという基調に変わりはない」と述べた。また別の選対委関係者は「イ・ジェミョン候補は当初からユン候補の家族問題でネガティブ攻撃をしないと述べた。家族は家族の問題であり、厳格な規定どおりに処理すればいいという立場だった」と伝えた。

 国民の党は、家族問題の検証が「誹謗戦に持ち込んでいる」という批判につながる可能性があるとし、政策的な鮮明さを浮き彫りにすることに集中する計画だ。「家族リスク」のないアン候補としては、家族同行スケジュールを通じて自然に両党候補と差別化できるという判断もある。国民の党のホン・ギョンヒ報道担当は本紙の電話取材に対し「キム・ヘギョン氏の過剰待遇疑惑が監査結果で違法と確認された場合に批判するのが正しいと判断した」とし、「キム・ゴンヒ氏関連の疑惑についても、候補本人ではなく選対委の論評を通じて批判している」と話した。

キム・ヘジョン記者、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1029798.html韓国語原文入力:2022-02-04 20:07
訳C.M

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