日本軍慰安婦問題解決のための水曜デモは19日にも、ソウル鍾路区(チョンノグ)の旧在韓日本大使館前の平和の少女像から50メートルほど離れた場所で行われた。国家人権委員会(人権委)は警察に対し「反対集会から水曜デモを積極的に保護せよ」と勧告したものの、集会場所を先取りした極右・保守団体にまたもや押し出されたかたちだ。
この日、ぼたん雪が舞う中、昼12時から約30人の参加で水曜デモは始まった。だが平和の少女像の周りを先取りした極右・保守団体の会員たちは、今回も日本軍慰安婦の歴史を歪曲する発言と被害者に対する侮辱を繰り返した。
正義記憶連帯(正義連)のイ・ナヨン理事長は水曜デモで、人権委の決定について「歓迎する」とし、「鍾路警察署は人権委の勧告に従い、水曜デモの現場で発生する人権侵害を完全に解消するとともに、水曜デモの妨害を目的とした集会を元から遮断せよ」と述べた。人権委は今月17日、「水曜デモは世界史的にも前例のない運動だ」として、警察に対し水曜デモ反対団体に集会の時間と場所を変えるよう積極的に勧告するとともに、日本軍「慰安婦」被害者をはじめとする水曜デモ参加者に対して名誉毀損や侮辱行為を行わないよう現場で積極的に制止し、捜査するよう勧告した。
この日、警察は拡声器で名誉毀損、侮辱発言を自制するよう呼びかけるだけで、物理的な衝突を防ぐことのみに気を使っている様子だった。鐘路警察署の関係者は、人権委の勧告について「水曜デモと反対団体との摩擦や誹謗するような発言は警告放送を通じてやめるよう要請し、平和的な集会が保障されるよう積極的に措置する」と説明した。しかし、両団体の集会の場所と時間が重複し、極右・保守団体会員による侮辱・名誉毀損発言が繰り返されていることについては、依然として「強制的にやめさせる法的権限はない」との立場だ。
この日、人権委の関係者は集会現場の調査を行った。正義連をはじめとする被害者支援団体は今月5日、人権委に対し、「集会の現場で起きている人権侵害の調査、こうした行為を放置する警察の調査」を求める陳情を行っている。