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場所奪われ…「30周年水曜デモ」が少女像の前でできない理由

登録:2022-01-05 01:11 修正:2022-01-05 06:30
5日の集会場所、「警察で居座り」の自由連帯に奪われ 
来週の水曜集会の場所まで母親部隊に奪われ 
正義連、国家人権委に「集会保護」陳情へ
日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ30周年を翌日に控えた4日午後、ソウル鍾路区の旧在韓日本大使館前の平和の少女像に、近くの建物に反射した日の光が差している=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 1992年1月8日に始まった「水曜デモ」が5日で30周年を迎える。第1525回水曜集会は、ソウル鍾路区(チョンノグ)の旧在韓日本大使館前の「平和の少女像」から30メートルほど離れた場所で正午から行われる。集会場所だった平和の少女像周辺を、日本軍「慰安婦」の存在を否定する極右団体が先取りしたからだ。

 極右団体の場所の先取りは2020年5月にはじまった。正義記憶連帯の理事長を務めたユン・ミヒャン議員の後援金流用疑惑が浮上したことをきっかけとして、極右系の自由連帯が平和の少女像の前での集会届を正義連に先んじて出しはじめたのだ。正義連は今も平和の少女像前の集会場所を取り戻せずにいる。集会届は30日(720時間)前から提出可能だが、極右・保守団体の会員が集会届を受け付ける鍾路警察署の待機場所で、交替しながら徹夜で居座っているため、毎回場所を奪われているのだ。昨年12月5日は今回の30周年水曜集会を届け出る日だった。正義連は届け出日の2日前から鍾路警察署で夜を明かしたが、すでに自由連帯をはじめとする極右・保守団体の会員たちが届け出場所にいたという。正義連のハン・ギョンヒ事務総長は4日、本紙の電話取材に対し「保守団体の会員たちが寝泊まりしながら居座っているため、近くの空きスペースを探して第2希望としてようやく届を提出した」と述べた。

 極右団体は第2希望の場所も先取りしていた。鍾路警察署情報課は「来週水曜日の1月12日は『母親部隊』が、現在正義連が水曜デモを行っている場所での集会届を先に提出している。両団体で協議しなければならないだろうが、おそらく母親部隊側は集会スペースの分割も許さないだろう」と述べた。

 最高裁は2014年に、先に届け出のあった集会が他の集会の開催を封殺するための虚偽集会である場合は保障する価値がないと判断している。大企業などが労組などの集会開催を阻止するために場所を先取りする『妨害集会』に対する批判が高まったことから、国会は2016年1月に集示法(集会および示威に関する法律)を改正し、集会届の2番目以降の提出者の自由を保障した。これにより警察は、同じ場所かつ同じ時間に集会届が重複した場合には、集会の主催者に対する「分割開催」の斡旋などに努めなければならない。

第1517回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモがソウル鍾路区の聯合ニュース前で開かれた昨年11月10日昼。国史教科研究所、慰安婦法廃止国民行動の活動家とプラカードの向こうに水曜デモが見える=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 正義連をはじめとする「慰安婦」被害者支援団体は、警察がこうした努力をきちんと行っていないと批判した。支援諸団体は5日午前、水曜集会に先立って国家人権委員会に警察を調査するよう求める陳情を行うことを決めている。正義連のカン・ギョンラン連帯運動局長は「極右団体は『水曜デモを永遠になくす』と主張して同一の場所での集会届を出している。また、セクハラ発言を日常的に行っており、こちらを侮辱する言葉をはばかることなく吐いている。国家人権委員会が緊急救済措置を取って集会現場で発生する人権侵害を調査するとともに、こうした行為を放置する警察も調査するよう、同委員会に陳情することにした」と述べた。極右団体などの集会届は、自分たちが反対する集会そのものを阻止するための「妨害集会」開催のためのものだということがはっきりしているにもかかわらず、批判を避けようとして警察は機械的に処理しているというわけだ。これについて鐘路警察署は「団体間の摩擦を懸念し、少女像を中心に区画を分けて管理しているだけ」と語った。

 国家人権委は類似の陳情事件で、2018年3月に「警察は2番目以降の集会届提出者の集会開催が保障されるよう、時間・場所の分割開催を勧めるなどの調整義務を積極的に遂行し、分割開催の斡旋が受け入れられなかったという理由で、2番目以降の提出者の集会をむやみに禁止してはならない」と勧告している。ヤン・ホンソク弁護士(法務法人イゴン)は「現行法上、場所の先取りそのものは問題とはならない。ただし水曜集会は少女像という集会場所に意味付けをする集会で、これを阻止するための妨害集会をどう見るのか、特定の場所で2つの団体の集会が競合する場合はどう処理するのか、基準が作られる必要がある」と述べた。

パク・チヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1025967.html韓国語原文入力:2022-01-04 17:50
訳D.K

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