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[ルポ]韓国初のロケット「ヌリ号」、来年の新たな打ち上げを控え組み立て中(1)

登録:2021-12-21 01:51 修正:2021-12-21 07:53
韓国初のロケット「ヌリ号」エンジンの産室、550坪の組立場 
1200個余りの構成品で作られたエンジン6基 
2回目の打ち上げ用の組立完了…高興で後方胴体と連結中 
ハンファ・エアロスペース昌原事業所にある「KSLV組立場」でエンジニアたちが「ヌリ号」のエンジンを組み立てている=ハンファ・エアロスペース提供//ハンギョレ新聞社

 ヌリ号のエンジンに付けられた別称「心臓」は、詩的な隠喩を超えて、その機能を実用的に説明するのにぴったりの言葉かもしれない。1.5トン級衛星を地球上空600~800キロの高さまで押し上げるエネルギーを発生させるエンジンは、全身に血液を供給し、歩く力や走る力を生み出す心臓の役割を果たす。

 ヌリ号エンジン組み立て場を訪れた16日、慶尚南道昌原(チャンウォン)には雨が降っていた。首都圏は朝から濃い霧とPM2.5に包まれた日だった。

 韓国初の国産宇宙ロケット「ヌリ号」のエンジンの組み立て作業が行われ、後続発射体のエンジン組み立て作業が行われている作業空間「KSLV組み立て場」は、ハンファ・エアロスペース昌原事業所内にある。「KSLV」は「韓国型ロケット」という意味の英語の頭文字を取ったものだ。昌原事業所は「KTX昌原中央駅」から車で10~15分ほどの距離にある。

 組み立て場の中に入るためには、事業場入口の右側にある「案内棟」でセキュリティ手続きを踏まなければならない。簡易領収書サイズの黄色の出入申請書に名前や連絡先、用事を書き入れ、ノートパソコンを入れたバックパックは案内棟のロッカーに入れた。スマートフォンのカメラには、撮影禁止のセキュリティシールが前後に貼られる。親指の爪ほどの大きさの濃い灰色のシールには、白の小さな字で「封印紙毀損禁止」と書かれている。

 組み立て場の訪問に先立ち、事務所で会ったナム・ヒョンウク専務(昌原事業場長)は「来年5月打ち上げ予定のロケットのエンジンはすでに組み立てられて高興(羅老宇宙センター)に送られた。今組み立てられているエンジンは、その後打ち上げられるロケットに装着されるもの」だと説明した。ヌリ号は今年10月の1回目の打ち上げに続き、来年5月に2回目、12月に3回目の打ち上げを控えている。予定通り進められるという前提による日程だ。ナム専務は「この組み立て場でヌリ号のエンジンを組み立てた後、高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターに送って燃焼テストを実施してから、またここに移して再整備する方式で進められる」と語った。

 案内棟や事業場長の事務室、組み立て場を行き来する時は、車で移動しなければならないほど敷地が広かった。空間の大きさや事務室および移動路の配置の作り方が、四角形のイメージの計画都市昌原に似ているような気がした。

 組み立て場の中に入ると、前方に長く伸びた長方形の空間の左半分ほどは、高さ2メートルほどの大きさのロボットのような物体のほかはほとんど空いていた。右半分には2階建ての鉄製「プラットフォーム」が設置されていた。高さ3メートルほどの3つの物体が、この構造物の2階の床を中心に1階の下半身、2階の上半身に分かれて立っていた。 組み立て場に入るとすぐ見える右側にも高さ3メートルぐらいの物体2つが配置されている。

 組み立て場で会ったキム・ジョンハン次長(昌原事業場推進機関生産本部生産技術チーム)は「(高さ3メートルほどの物体を指し)ヌリ号に搭載される75トンエンジン」だと話した。ここで75トンは推力(反作用による力)を意味する。 高さ2メートルのものは7トンエンジンという説明が続いた。この6つの物体が対になってヌリ号のエンジンを構成する。3段構造のヌリ号の一番下の1段に75トンエンジン4本が束ねられて(クラスターリング)配置され、その上の2段に75トンエンジン1本が、一番上の3段に7トンエンジンが置かれ、ヌリ号を段階別に上空に打ち上げる力を生み出す。予定通りなら、来年12月、3回目に打ち上げられるヌリ号を空高く飛ばせる主人公たちだ。

 組み立て場の規模は550坪程度だという。ここにはシャッターで分離しているエンジン分解室や治工具保管所も含まれている。全作業場の空気を浄化し、温度と湿度を調節する空調施設の敷地を合わせると800坪規模だ。今年10月、国中を沸かせたヌリ号打ち上げ時の興奮とときめきに比べると、その心臓の産室はこぢんまりとしたという印象を受けた。(続く)

昌原/キム・ヨンベ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1024019.html韓国語原文入力:2021-12-2016:12
訳H.J

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