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文大統領、韓国初のロケット打ち上げに「目標には至らなかったが立派な成果」

登録:2021-10-22 10:31 修正:2021-10-23 08:32
ヌリ号打ち上げ視察後、対国民メッセージ 
大統領の説明で軌道に乗れなかったことを確認
文在寅大統領が21日午後、韓国型ロケット「ヌリ号(KSLV-2)」の打ち上げ視察を終え、全羅南道高興の羅老宇宙センター発射統制棟で国民へのメッセージを発表している/聯合ニュース

 ロケットが700キロ地点に到達したというニュースとともに「事実上成功」とされていたヌリ号の成果を、より正確に修正したのは文在寅大統領だった。21日午後5時、ヌリ号の挑戦を視察した文大統領は、打ち上げから約1時間10分後、自ら発した国民に対するメッセージで「目標には完全には至らなかったが、最初の打ち上げとして非常に立派な成果を収めた」と述べた。

 文大統領はこの日、全羅南道高興郡(コフングン)の羅老(ナロ)宇宙センターで打ち上げ経過報告を受けた後、「打ち上げ管制から離陸、空中で行われる2回のエンジン点火とロケット分離、フェアリングとダミー衛星分離まで滞りなく行われた。完全に独自の韓国の技術だ」と評価しながらも「ただし、ダミー衛星を軌道に乗せることが未完の課題として残った」と述べた。

 今回ヌリ号は700キロ上空に達し、ダミー衛星を秒速7.5キロの速度で軌道に乗せることで任務が完遂されることになっていた。しかし目標軌道で分離されたダミー衛星が十分な速度(最小秒速7.5キロ)を出すことに失敗し、最後を飾ることはできなかった。

 ヌリ号の初の打ち上げは半分成功であると同時に半分失敗で、最初の「リハーサル」だけに残された課題も確認されたかたちだ。文大統領は「ロケットを宇宙の700キロの高度まで上げただけでも大変なことであり、宇宙に近づいたもの」とし「本日不足していた部分を点検して補完すれば、来年5月にある2回目の打ち上げでは必ず完璧な成功を収められるだろう」と述べた。

 宇宙産業の後発国としての将来のビジョンも提示した。文大統領は「過去10年間で世界の宇宙産業は2倍以上に成長した」とし、「名実ともに宇宙大国への跳躍を遂げる」ことを目標に、(ヌリ号の点検を前提とした)ロケット性能の向上および様々な衛星への活用▽宇宙技術の民間移転および宇宙産業の成長動力化▽2030年月着陸プロジェクトの推進などを提示した。これまで科学技術情報通信部長官が務めてきた国家宇宙委員会の委員長は、今後は首相が務めることになる。

イム・インテク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1016174.html韓国語原文入力:2021-10-21 20:41
訳D.K

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