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「防疫」と「生業」の間の深い溝…韓国、自営業者が集団休業を予告

登録:2021-12-17 09:16 修正:2021-12-17 13:59
18日から集まりは4人以下、夜9時までの営業に 
政府、防疫支援金を新設…人数制限による被害も補償 
損失補償率80%そのまま維持に反発、自営業者ら「集団休業」
私的な集まり・施設利用の制限を骨子とするソーシャル・ディスタンシング強化案が発表された今月16日、ソウルのある飲食店が昼食時間にもかかわらずがらんとしている/聯合ニュース

 韓国政府は、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を強化し、損失補償の対象となる小商工人や自営業者の範囲を拡大するとともに、現金で支給する「防疫支援金」を新設することにした。しかし、今回の措置で直撃を受ける自営業者らは「政府は被害補償率をそのまま維持するなど、消極的な態度で自営業者に苦痛を転嫁している」と反発した。自営業者団体が大規模な集団休業を予告するなど、「防疫」と「生業」の間の対立もまた激化している。

 ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官は16日、非常経済中央対策本部会議を開き、「予算、基金、予備費などを総動員して防疫支援金支給、損失補償拡大、超低金利融資支援など多層的に最大限支援する」と述べた

 特に政府は、損失補償の対象となる防疫措置に「人数制限」まで含めることにした。これまでは防疫措置によって営業所を閉鎖したり、特定時間以降の営業ができなくなったために生じた被害のみを補償してきたが、人数制限措置による損失まで補償するということだ。これにより、面積4平方メートルあたり1人、収容人数の50%などの人数制限措置の適用を受けている理容・美容業、遊園地、結婚式場などが新たに損失補償対象に含まれる見通しだ。中小ベンチャー企業部小商工人コロナ回復支援団のイ・ウンチョン団長は同日、「施行令の改正を通じて、次の四半期の損失補償金を支援する際に含まれるようにする」と明らかにした。政府はまた、小商工人に対する先制的な支援のため、防疫支援金を新設する計画だ。防疫支援金は、これまで政府支援から排除されてきた旅行業など間接被害業種も受けられる。イ団長は「現在、関係省庁間で防疫支援金の執行計画を協議している」と説明した。

 しかし、損失補償の下限額(50万ウォン=約4万8千円)と損失補償率(被害金額の80%)を維持するというのが政府の方針なので、あまりにも消極的だという指摘も出ている。明知大学のウ・ソクチン教授(経済学)は「最初から損失補償対象を幅広くすべきだったが、遅れた対応をしている。損失補償率を100%に引き上げるなど、支援をさらに強化すべきだ」と話した。

 一方この日、6つの自営業者団体からなる「コロナ被害自営業総連合」(総連合)は、来週から集団で営業中止をすると予告した。総連合のミン・サンホン共同代表は本紙の電話取材に対し「今日の政府の発表後、各団体長が集まって営業中止をしようという意見をまとめた」とし、「20日午前に方法と時期を決める」と述べた。これらの団体の所属会員は約150万人で、総連合は少なくとも100万人が営業中止に参加するものとみている。同団体のオ・ホソク共同代表は「年末にこのような過酷な距離措置がなされるため、こうした対応をするしかない」とし「自主的に被害金額を算出し、集団訴訟も準備している」と明らかにした。

 巷の自営業者も虚脱感を隠せなかった。ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)で焼肉店を経営するキム・スヨンさん(40)は「コロナ前の売り上げの80%まで回復したが、再び垂直下降中だ」とし、「予約は全部キャンセルになっている」と話した。近くでチキン屋を経営するキム・ジミョンさん(75)も、「前回損失補償額を受け取ったが、固定費用の5%にすぎなかった。期待もしていない」と話した。

イ・ジョンフン、イ・ウヨン、コ・ビョンチャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1023688.html韓国語原文入力:2021-12-17 02:33
訳C.M

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