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韓国、コロナ重症患者460人で過去最多…首相「はらはらしている」

登録:2021-11-11 10:06 修正:2021-11-11 10:47
前日より35人増え…対応可能な「500人台」に迫る 
重症患者の病床稼動率、ソウル71.3%、京畿道68.4%
11月1日の段階的な日常回復(ウィズコロナ)履行計画の実施後、新型コロナの感染者数が3日連続で2000人台半ばとなり、拡散が続いている。5日午前、京畿道平沢市の博愛病院で医療スタッフが慌ただしく動いている/聯合ニュース

 韓国で新型コロナウイルスにより入院中の重症患者が1日で35人増え、過去最多の460人に達した。政府が対応可能だとした1日の重症患者数500人台に迫っている。政府は67億ウォン(約6億4千万円)の予算を投じて、重症患者の治療機器であるECMO(エクモ・体外式膜型人工肺)と人工呼吸器の購入に乗り出した。

 中央防疫対策本部(防対本)は、10日午前0時現在、新型コロナで入院中の重症患者は前日の425人から35人増の460人だと明らかにした。第3波のさなかの今年1月6日の411人、第4波の8月27日の427人よりも多い重症患者数だ。新規感染者も2425人で前日より710人も増え、今月7日(2224人)以降3日ぶりに再び2000人台に突入した。

 政府は、重症患者の病床占有率が首都圏では70%に達するが、全国では57%程度で、医療システムは安定して対応している状況だと発表した。しかし、このような急増傾向が続けば、病床不足に見舞われる可能性もあるとみている。9日午後5時現在の病床状況を確認すると、重症患者専門病床の稼働率はソウル71.3%、仁川(インチョン)73.4%、京畿道68.4%などで、全国は57.2%だった。準重症患者病床はソウル58%、仁川95.7%、京畿道79.7%で、全国は62.9%。政府は、現在の医療体系では1日平均で感染者5000人、重症患者500人にまで対応できると明らかにしている。防対本はこの日、67億ウォンの予算を投じて新型コロナ重症患者の治療装備であるエクモ33台、人工呼吸器60台の導入を推進中だと明らかにした。

 中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長はこの日午前、文化放送(MBC)ラジオ「キム・ジョンベの視線集中」に出演し、「今ある重症患者向け治療室全1121室のうち、511室が使用可能で、45%ほどの余力はある」とし「まだ医療体系が安定して対応できる状況が維持されている」と述べた。ソン班長は「ただし、増加のスピードがどの程度上がるのか、先週の新規感染者と重症患者の規模はおよそ10~20%増加した状況だが、今週と来週の増加率がどれくらいに維持できるかが非常に重要だ」と述べた。

 キム・ブギョム首相もこの日、中央災害安全対策本部(中対本)の会議で「重症患者、死者数、実効再生産数などの様々な防疫指標が予想よりも早く悪化しており、はらはらしている」とし「まだ医療対応の余力は残っているが、年末を迎え集まりがさらに活発化し、季節的要因まで加われば、昨年末のような危機状況が再現される可能性も排除できない」と述べた。

 ただし防疫当局は、昨年冬の第3波と比べると、現在は感染者が2倍に増えているが、重症・死亡者は同水準であり、予防接種の効果が現れていると明らかにした。防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「最近の流行拡大は、第4波の長期化でウイルスにさらされる機会が多く、ワクチン接種完了後、時間の経過によって効果が減少したことによるもの」とし「先月に比べて増加傾向はみられるが、第3波の時期と比べると感染者数は2倍に増えたものの、重症患者と死亡者の数は同程度だ。『急増した』という状況認識を改める必要がある」と述べた。

 一方、疾病庁は突破感染(ブレイクスルー感染)者にも追加の接種が必要だという現在の勧告を維持した。新型コロナ予防接種対応推進団のファン・ギョンウォン予防接種企画チーム長は「一部の国外の研究結果によると、コロナ予防接種後に突破感染が発生した際、抗体が追加接種と同じように生じるという報告がある」とし、「ただし、この研究だけでは突破感染後に追加接種が必要でないと明確に決めるまでには至らず、今のところ突破感染者にも追加接種を行うよう勧告する」と明らかにした。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1018693.html韓国語原文入力:2021-11-11 02:36
訳C.M

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