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[独自]「低学歴・低所得」の高齢者たち、コロナ死亡にひときわ脆弱だった

登録:2021-11-03 06:32 修正:2021-11-03 08:21
昨年新型コロナによって死亡した950人を全数調査 
死亡者の95.3%が60歳以上 
高齢層の「未就学者」の割合は全体の7.4%だが 
新型コロナによる死亡者数は16.5% 
「低学歴・低所得層の保護に失敗」
「段階的な日常回復」2日目の今月2日午前、ソウル鍾路区のタプコル公園で、円覚寺社会福祉支援閣の無料給食所が開かれ、ホームレスや低所得の高齢者たちが弁当を受け取っている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 昨年1年間、韓国で新型コロナウイルス感染症によって死亡した患者たちを全数調査した結果、小学校にも通えなかった「未就学者」の高齢者たちの割合が、全高齢層で彼らが占める割合に比べ、2倍も高いことが確認された。低学歴・低所得の高齢社たちが新型コロナの感染と感染後の治療に脆弱という懸念が事実と判明したと言える。

 本紙が2日、統計庁マイクロデータセンターから入手した新型コロナによる死亡者全数調査資料(2020)を分析した結果、昨年新型コロナによって死亡した950人のうち、60歳以上の高齢者が95.3%の905人であることが分かった。このうち、小学校も卒業していない高齢者の割合が16.5%(149人)だったが、これは60歳以上の全体人口集団で小学校も卒業していない人の割合(7.4%)より2.2倍高い数値だ。死亡者のうち、小卒を含む「低学歴」の高齢者の割合は45.3%(410人)で、全体人口集団の低学歴高齢者の割合(30.9%)に比べ、1.5倍高かった。学歴水準が把握されていない死亡者も5.7%(52人)いた。今回の調査は、死亡者が発生した際に政府が作成する「死亡申告書」を基に行われた。

 統計庁マイクロデータと国民健康保険の資料が連携されていないため、死亡者の所得水準まで確認できなかったが、学歴と所得水準が強い相関関係を持つ韓国では、このような分析結果は低学歴・低所得の高齢層が新型コロナの感染と感染後の治療により脆弱だったことを示すものと分析される。ソウル大学のキム・ユン教授(医療管理学)は「学歴が社会経済的な地位を代弁する韓国では、教育水準が低く、貧しい人が新型コロナにより多く感染し、より多く死亡したが、こうした傾向は新型コロナによる死亡者だけでなく、超過死亡数(一定期間に通常発生すると予想される水準を超える死亡数)の現状にも現れている」とし、「感染病の被害は結局不平等に現れ、韓国社会は脆弱階層である低学歴・低所得の高齢者を新型コロナから保護するのに失敗した」と指摘した。

 特に、高齢層死亡者の性別は女性452人、男性453人でほぼ同じだったが、養護老人ホームなどの社会福祉施設で死亡した11人のうち9人が女性だった。京畿道医療院安城病院のイム・スングァン院長は「女性の平均寿命が高く、特に首都圏の80歳以上の女性はほとんど施設で暮らしているが、低学歴の女性高齢者という特徴は、産業化時代に子どもを育ててきた高齢者たちが、現在養護老人ホームや療養型病院など施設に送られている韓国社会の断面を表したものだ」とし、「このような施設は零細なところが多く、特に感染症に脆弱だが、保護装置や制度がほとんどなかった」と述べた。

 今回の分析結果を通じて、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を実践するのが難しかった人口集団が犠牲者の大半を占めていることが分かるという指摘もある。ソウル大学保健大学院のファン・スンシク教授(疫学)は「政府が防疫規則を強調しても、彼ら高齢者たちは人と会わなければならず、狭い空間で一緒に過ごさなければならない、いわゆる『3密(密集、密接、密閉)環境』にさらされるしかない」とし、「低学歴・低所得層人口については、新型コロナの治療後に発生し得る後遺症と回復段階でも不平等が発生しないよう、注意しなければならない」と述べた。

 教育水準や所得、年齢、地域による新型コロナをめぐる不平等を、韓国社会が直視すべきだという声もあがっている。2020年の新型コロナによる死亡者に対する基礎的な統計さえ、1年が経ってようやく確認されたことに対する批判だ。キム・ユン教授は「政府が資料を積極的に公開したり、分析していない。意図的に放置していると疑われる部分もある」とし、「新型コロナがいつまで続くか分からない状態で、今からでも脆弱階層を保護する装置を用意すべきだ」と述べた。

イ・ジェホ、クォン・ジダム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/1017713.html韓国語原文入力:2021-11-03 04:59
訳H.J

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