イ・ナギョン元首相が、共に民主党の大統領選候補予備選挙の第3回国民選挙人団投票で圧勝したにもかかわらず、決選進出に失敗したことで、途中辞退した候補たちの得票無効処理が誤っていたとし、党に異議を申し立てることにした。10日、民主党の大統領選予備選挙の結果に事実上不服の意を示したもので、民主党が大統領選候補の戦列を整えるまでにはかなりの紆余曲折が予想される。
イ・ナギョン陣営は同日、予備選挙が終わった後で所属議員全員が出席した緊急会議を開き「これまで数回にわたって大統領選予備選挙候補を途中辞退した場合の無効票処理が、決選投票導入の本趣旨に反するという点を継続的に提起してきた」とし、「党の大統領選予備選挙の無効票処理に対する異議申し立てを、規定の手続きに従い、党選挙管理委員会に正式に提出することにした」と明らかにした。これに先立ちイ元首相は予備選挙直後、承服するかどうかを尋ねた記者団の質問に対し、「落ち着いた気持ちで待っていてほしい。最後まで共にする」と述べ即答を避けたが、最終的に異議申し立てを決定した。
イ元首相はこの日発表された第3回国民・一般党員投票で、全体の投票者数24万8880人のうち15万5220票を得て得票率62.37%を記録し、イ・ジェミョン京畿道知事は28.3%(7万441票)にとどまった。予想外の圧勝に支えられ、イ・ナギョン元首相の累積得票率は39.14%に跳ね上がり、イ・ジェミョン知事は50.29%に下落した。0.29ポイント差というぎりぎりで決選進出の可否が分かれると、イ・ナギョン陣営は再び、途中で辞退した候補らの無効票処理を提起するようになった。チョン・セギュン、キム・ドゥグァン両候補が獲得した票を無効処理しなかったら、イ事の最終得票率は48.5%にとどまるというのがイ・ナギョン陣営の説明だ。イ・ナギョン陣営は「予備選挙不服」という批判を意識したようで「これは予備選挙に対する不服ではない。ルール通りにやろうということだ」と強調した。陣営関係者は「規定の不備だけでなく、党指導部の無理な有権解釈で起きたことだから、きちんとした党憲・党規の解釈に則り、過半数勝ではないという異議申し立て」だとし「イ・ナギョン元首相の態度はこの問題が解決された後に論議できる事案」だと述べた。この問題が整理されるまで、イ元首相が予備選挙を承服してイ知事をサポートすることはないという意味だ。
候補だけでなく、支持者間の化学的結合も容易ではなさそうだ。この日夜、ソウル汝矣島(ヨイド)の民主党本部前には、イ元首相の支持者が集まり、党内選挙の結果に抗議するデモを行った。雨の中約20人が集まったデモ隊は、イ元首相の異議申し立て方針が伝えられた後には約150人に増え、「四捨五入を撤回せよ」「民主党が恥ずかしい」というスローガンを叫びながら抗議した。