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キム・ヨジョン副部長「終戦宣言、良い発想」…南北対話の突破口開かれるか

登録:2021-09-25 06:01 修正:2021-09-25 06:15
リ・テソン外務次官の「時期尚早」 談話から半日後 
キム副部長、文大統領の提案に前向きな反応 
「敵視政策と二重基準の撤回を」 
終戦宣言の先決条件として提示 
 
文大統領、帰国懇談会で 
「関係国は消極的ではない」
2018年2月10日、平昌冬季五輪南北高官級晩餐会に出席したキム・ヨジョン労働党第1副部長=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長は24日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会で提案した終戦宣言について「(南側が)敵対的でなければ、いくらでも北南間でまた緊密な疎通を維持し、関係回復と発展の見通しについて建設的な論議を交わす用意がある」と明らかにした。「北朝鮮敵視政策と不公平な二重基準(ダブルスタンダード)」の撤回を先決条件に掲げたが、終戦宣言の提案を「良い発想」と評価したことから、南北対話の突破口が扉が開かれるかどうかに注目が集まっている。

 キム副部長は同日、「朝鮮中央通信」を通じて発表した談話で「長期間続いている朝鮮半島の不安定な停戦状態を物理的に終わらせ、相手に対する敵視を撤回するという意味での終戦宣言は興味深い提案であり、良い発想だと思う」とし、「終戦宣言は悪くない」という見解を示した。先月10日の韓米合同指揮所演習を機に、南北直通連絡線を遮断して以来、北朝鮮側が南北関係改善の可能性に言及したのは初めて。

 ただし、「終戦が宣言されるためには、双方の間で互いに対する尊重が保障され、相手に対する偏見や酷い敵視政策、不公平な二重基準がまず撤回されなければならない」と強調した。これは、韓国側が最近、韓米合同演習や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験などを進める中で、北朝鮮の長距離巡航ミサイルと短距離弾道ミサイルの発射を「挑発」と規定した点を指摘したものとみられる。キム副部長は「(南側が)自らの行動の当為性と正当性は美化し、我々(北側)の正当な自衛権行使を必死で罵倒しようとするこうした二重的かつ非論理的な偏見と悪習、敵対的な態度を捨てなければならない」と主張した。

国連総会とハワイ訪問の日程を終えた文在寅大統領が23日(現地時間)、空軍1号機で帰国途中、機内で同行の記者団と懇談会を行っている/聯合ニュース

 同日のキム副部長の談話は、北朝鮮のリ・テソン外務次官の談話が発表されてから半日後に出された。リ次官は談話で終戦宣言が「象徴的意味はある」としながらも、「米国の二重基準と敵視政策の撤回」なしには「時期尚早」だという見解を示した。リ次官の談話が米国に対する北朝鮮当局の公式な立場を盛り込んだ一方、キム副部長の談話は韓国に対する政務的メッセージを発信したといえる。米国には敵視政策の撤回を、韓国にはもう少し積極的な役割を求めるメッセージを送ったものとみられる。

 キム副部長の談話に先立ち、文大統領は23日(現地時間)、米国訪問を終えて帰国する空軍第1号機内で開いた記者懇談会で、終戦宣言について「関連国は消極的ではない」と述べた。文大統領の発言が事実上、終戦宣言の鍵を握る米国も否定的ではないという立場を確認したと解釈される中、キム副部長の談話が発表され、長期にわたり膠着状態に陥っていた南北、朝米関係が再び動きだすのではという期待感も頭をもたげている。大統領府のパク・スヒョン国民疎通首席は「YTN」に出演し、キム副部長の談話について「韓国の対応や政府の立場を述べるにはまだ早い」としながらも、「非常に意味があり、重みがある」と述べた。彼は「(北朝鮮が)『対話の扉は開かれている』『役割を果たしてほしい』というメッセージを送ったものとみられる」として、今回の談話を前向きにとらえた。結局、文大統領が終戦宣言を提案することできっかけを作ったこの局面は、北朝鮮の「シグナル」に米国がどれほど積極的に対応するかによって今後の展開が決まる見通しだ。

キム・ジウン、イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1012670.html韓国語原文入力:2021-09-24 23:15
訳H.J

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