しばらく静かだった北朝鮮の「低強度軍事行動」が頻繁になっている。北朝鮮は今月11~12日の「新型長距離巡航ミサイル発射実験」に続き、3日後の15日に短距離弾道ミサイル2発を発射した。3月に4日の間を置いて「巡航ミサイル2発」(3月21日)と「弾道ミサイル2発」(3月25日)の発射実験を相次いで実施した先例と流れが類似している。6カ月ぶりに似たような形の発射実験を行ったということだ。
国連安全保障理事会は北朝鮮の「弾道ミサイル技術を利用したいかなる(すべての)発射」を禁止している。したがって、巡航ミサイルの発射は国連安保理決議違反ではないが、弾道ミサイルの発射は種類を問わず国連安保理決議違反に当たる。しかし、米国は北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む長距離ミサイルではない中・短距離弾道ミサイルの発射実験に関して、これまで国連安保理の招集を求めたことはない。言葉で批判するレベルを超える実質的な対応が伴わない、事実上の「黙認」に近い。したがって北朝鮮がこの日、「平安南道陽徳(ヤンドク)一帯から東海上に向けて発射した短距離弾道ミサイル2発」は、朝鮮半島情勢に質的変化をもたらす変曲点の役割を果たすような破壊力を持つ「軍事行動」とは考えにくい。
軍事技術的な面では、3月25日に発射実験を行った弾道ミサイル、すなわち北側が「新型戦術誘導弾」と呼ぶ、いわゆる「北朝鮮版イスカンデル改良型」の性能修正・補完が目的の発射実験である可能性があると指摘されている。
今回の弾道ミサイル発射が、中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長がソウルで文在寅(ムン・ジェイン)大統領とチョン・ウィヨン外交部長官と会談する時に行われたという事実にも留意する必要がある。北側がわざとそうしたなら、韓米中などに向けたメッセージを多角的に考えてみなければならないからだ。北朝鮮の内心がどうであれ、中国が喜ぶ状況ではない。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長が、弾道ミサイルの発射実験を指導・参観したかどうかも確認すべき部分だ。北朝鮮側が公式に認め発表した3月25日と11~12日の発射実験時には、金正恩総書記は参観しなかった。金総書記が参観するかどうかによって、発射実験の軍事・外交的な重みが大きく変わる可能性がある。