13日、韓国とオーストラリアの外交・国防閣僚が、地域の急変する安保環境に対応し、両国間の国防・安保協力の必要性に共感を示した。中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長の訪韓(14~15日)を控えて開かれた会談であるだけに、両国が中国問題をどう取り上げるかに関心が集まった。
チョン・ウィヨン外交部長官とソ・ウク国防部長官は、前日訪韓したオーストラリアのマリス・ペイン外交長官、ピーター・ダットン国防長官と同日午後、政府ソウル庁舎外交部で開かれた5回目の韓豪外交・国防閣僚会議(2プラス2)を開いた。今回の会議は、2019年12月にオーストラリアのシドニーで開かれて以来1年9カ月ぶりで、両国は今年外交関係を結んで60周年を迎えた。
会議後の共同記者会見でチョン長官は、北朝鮮が11~12日に発射実験を行ったと発表した長距離巡航ミサイルについて「韓米間の協力の下、北朝鮮側の意図および諸元などについて詳しく分析を進めている」とし、「(北朝鮮の)核・ミサイル活動が(6カ月ぶりに)再開されているのは、こうした問題を根本的に解決するための北朝鮮との対話また関与と外交が急がれているということをよく示している」と述べた。ペイン長官は、北朝鮮が長距離巡航ミサイルを発射した意図を問う質問に「意図が何なのか推測するつもりはない」としながらも、北朝鮮に対して韓国、米国と持続的な対話に応じることを求めてきたオーストラリア政府の従来の立場を繰り返した。また「韓国の南北関与に対する意志を歓迎する」とし、「朝鮮半島の恒久的平和と安定は、対話を通じてのみ実現できることに同意する」と述べた。さらに「オーストラリアは北朝鮮が完全かつ検証可能で不可逆的な非核化に向けた明確な措置を取るまで、国連安全保障理事会とオーストラリア独自の対北朝鮮制裁の履行に専念することをこれまで明らかにしてきた」と説明した。
同日の会談では、中国関連の対応についても主に取り上げられたものとみられる。ソ長官は「大国間の競争が激化しており、伝統的および非伝統的な安保脅威がますます高まっている現在の安保環境のもと、両国間の国防と安保協力の強化は、韓国とオーストラリアをはじめ地域の安保にも肯定的に貢献するということに共感した」と述べた。米中の戦略的競争が激化している中、両国の協力の必要性を強調したのだ。オーストラリア側は会談を前後して「地域の平和と安定を脅かす」、「両国とも経験のある経済的強圧や外部介入、サイバー攻撃と戦術」などを公に言及し、こうした「挑戦」に両国が協力を強化すべきだと主張した。発言の過程で名指しはしなかったが、中国に向けた発言と思われる。実際、今回の会談を控え、外交部側では中国と関係が悪化したオーストラリア側が会談で強硬な対中国協力を要求する可能性もあると懸念されていた。ただし、ペイン長官はオーストラリアと中国の関係を直接言及した質問には「(オーストラリアは)中国との建設的な関与を模索している」とし、最近、中国の高官に疎通は開かれているという提案を何度も行ったが、中国側から反応がなかったと答えた。
オーストラリア側は同日、オーストラリアが参加している機密情報共有同盟「ファイブアイズ」(米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)に韓国などが参加することについての立場を問う質問には、慎重な態度を示した。チョン長官も、米議会で進行中の論議に対して立場を明らかにすることは適切ではないと述べた。それとともに、韓国政府はすでにファイブアイズ諸国と多様な分野で協力をしてきており、この日両国が締結した「サイバー核心技術協力了解覚書(MOU)」をその努力の一環だと強調した。両国の長官は、米国、日本、オーストラリア、インドが参加する協議体「クアッド」の拡大についても、新型コロナウイルスワクチンなど多様な協力をしてきたと答えるにとどまった。