韓国政府は、1カ月間にわたっている社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の現レベルを維持しつつも、私的な会合の制限を緩和し、秋夕(チュソク、旧暦8月15日、新暦で今年9月21日)の期間には8人までの家族会合を認めることを決めた。政府は、予防接種率が高まっていることに伴い、自営業者と小商工人の苦痛を軽減するため、段階的に防疫措置を調整するものだと説明した。
中央災害安全対策本部と中央事故収拾本部が3日に発表した「ソーシャル・ディスタンシング調整方策および秋夕特別防疫対策」によると、現在適用中のソーシャル・ディスタンシングである首都圏のレベル4、非首都圏のレベル3と、5人以上の私的会合の禁止措置を、6日午前0時から10月3日午後12時まで4週間延長することが決まった。
全国的に予防接種の完了者に限って私的な会合の例外が適用される。レベル4地域では、これまでは午後6時以前までは4人、その後は2人までの私的会合が可能だった。食堂とカフェでは夜9時まで、少なくとも2人の接種完了者を含む4人までの私的な会合が可能だった。今回の調整により、食堂、カフェ、家庭に限り、予防接種完了者を含む6人までの私的な会合が可能になる。ただし、1次接種者と未接種者には例外は適用されず、午後6時以前には4人、その後は2人まで。またレベル4地域では、食堂・カフェの店内での飲食可能時間が、午後9時までから再び午後10時までに戻される。
レベル3以下の地域では、すべての大衆利用施設と家庭で、従来は4人までの私的な会合が可能だったが、予防接種完了者を含めれば8人まで可能になる。レベル3以下の地域でも、1次接種者と未接種者への例外適用はなされない。既存のレベル3で予防接種完了者に対して人数制限なしの私的会合インセンティブを適用していた7自治体(忠清北道、忠清南道、全羅北道、大邱(テグ)、慶尚北道、慶尚南道、江原道)も8人までに統一され、全国的に同一の措置が適用されることになった。私的会合関連の制限事項とレベル4の大衆利用施設の運営時間を夜10時までとすることについては、自治体も任意に調整できない。
防疫守則も一部が見直される。結婚式は現在レベル3~4では49人まで認められているが、食事の提供がない結婚式は99人まで認められる。食事をする場合は現在と同じ49人まで。
政府は秋夕を迎え、13日から26日までの2週間にわたって秋夕特別防疫対策を実施する。秋夕連休期間の今月17日から23日までの1週間、レベル4地域の家庭内の家族会合に対しては、レベル3の私的会合基準を適用し、予防接種完了者を含めれば最大8人までの会合を認める。「1次接種者と未接種者」だけの場合は4人まで。この措置は、レベル4地域の大衆利用施設には適用されず、家庭内の会合のみに認められる。政府は、故郷の訪問は予防接種の完了後、または診断検査の受診後に、最少人数で行うことを勧告した。また、家族内の高齢者がワクチン未接種である場合は、訪問を自粛することを強く勧告した。
ソーシャル・ディスタンシングのレベルとは関係なしに、秋夕連休期間(13~26日)には療養病院・施設の訪問面会が認められるほか、面会客の分散のために事前予約制が実施される。入院患者と面会客が共に予防接種完了者の場合は接触面会が認められ、その他の場合は非接触面会のみが可能となる。
政府は、感染リスクを最小化するため、鉄道の乗車券は窓側の座席のみを販売し、それ以上は拡大しないことを決めた。高速道路の料金は通常通り徴収され、沿岸旅客船の乗船人数は定員の50%までとなる。全国の50の鉄道駅では乗車前に発熱チェックが実施され、サービスエリアでは屋内での飲食が禁止される。
このような決定は、新型コロナウイルス予防接種率が高まる中で、自営業者と小商工人の被害を軽減するためのもの。政府は「ソーシャル・ディスタンシングの長期化で国民の疲労は蓄積しており、自営業・小商工人の被害増加による国民経済の困難とこれに伴う反発が深まるなど、ソーシャル・ディスタンシングの許容度は低下している」とし「流行の規模が大きく、減少することなく現状維持が続いている中では、9月末までの全面的な防疫緩和は難しい。ただし、全国民の70%の1次予防接種という目標の達成が迫っていること、ソーシャル・ディスタンシングの長期化による疲労の蓄積と社会的許容度の低下を考慮した限定的な防疫緩和を進める」と述べた。