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ワクチン接種後に白血病や月経異常、因果関係は?

登録:2021-09-03 04:08 修正:2021-09-03 07:16
韓国政府、血液学界に諮問「現在のところ根拠はない」 
月経異常も「因果関係の確認できず」…英国で3万2千件報告 
長期化した場合は病院診療を勧告…異常反応の監視強化の意向
2日、ルーマニアとの協力により確保したワクチン150万3千回分の第1陣となるファイザーのワクチン52万6千500回分が韓国に到着した。仁川国際空港貨物ターミナルで関係者がワクチンを運んでいる/聯合ニュース

 韓国の学界が、新型コロナウイルスワクチンの接種と急性骨髄性白血病の発生に関連性があるという根拠は、現在のところないとする意見を発表した。ワクチン接種後に急性骨髄性白血病を発症したという国民請願によって不安が高まったことから、政府は専門家に諮問し、これに対する答申が出たのだ。ワクチン接種後に女性に現れる不正出血などについても国民請願が提起されたため、政府は異常反応を監視する体系を強化することを決めた。

 コロナ予防接種対応推進団は2日、「大韓血液学会への諮問の結果、ワクチンが白血病を誘発または触発するという根拠は、現在のところない」と説明した。同学会は、接種後のわずかの間に白血病が発生するというのは従来の理論と一致しないこと、コロナワクチンやインフルエンザワクチンなどの従来のワクチンと白血病との因果関係は現在まで報告されていないことを根拠に挙げた。政府による同学会への諮問は、ワクチン接種後に白血病を発症したとい訴えが大統領府の国民請願掲示板に相次いで掲載されたことによるもの。

 同学会のキム・ジンソク学術理事(延世大学医学部教授)は「急性骨髄性白血病の発生原因としては、一部の遺伝的素因やベンゼンのような発がん性物質、抗がん剤のような毒性物質は知られているものの、原因が分からないケースがほとんど」と説明した。同氏は「この中で、原因と発生期間についてよく知られている抗がん剤のケースでは、抗がん剤の投与から数年後に発症すると報告されている」とし「急性骨髄性白血病の病因論をよく考慮すると、コロナワクチン接種後、数日から数カ月後にこの病気が発生するというのは理論的に正しくないと判断する」と説明した。これについて推進団のチョ・ウンヒ安全接種管理班長はこの日のブリーフィングで「コロナ予防接種後の白血病発生に対する懸念は不要なので、個人の健康状態を考慮して予防接種を受けてほしい」と述べた。

 いっぽう推進団は、ワクチン接種後の不正出血などの女性の月経異常について、因果関係ははっきりしていないものの、出血が長引く場合は医療機関の診療を受けるよう訴えた。チョ班長は月経異常について「ストレスや疲労、そして甲状腺疾患や子宮筋腫、様々な薬物反応など、誘発原因は様々だ」とし「もしコロナワクチン接種後に予期せぬ膣からの出血が発生したり、その量が非常に多かったり長引いたりした場合は、医療機関で診療を受けてほしい」と述べた。

 現在までのところ、韓国国内でコロナワクチン接種後の異常反応として報告された月経異常は18件。英国では不正出血や月経異常などが3万2455件(8月18日現在)報告されている。推進団は、月経異常に関する国外の文献を徹底的に検討するとともに、国内の異常反応例を綿密に監視する体系を強化する予定だ。すでに大統領府の国民請願掲示板には、ワクチン接種後に現れた不正出血をコロナワクチンの副作用として届け出られるようにすることを求める請願が掲載されている。

ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1010240.html韓国語原文入力:2021-09-02 17:24
訳D.K

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