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「カブールの奇跡」…韓国に協力したアフガン人391人、無事にアフガン脱出

登録:2021-08-26 07:31 修正:2021-08-27 08:01
アフガニスタン人協力者とその家族、無事にカブールを脱出 
韓国式の連絡網のおかげで集合場所と時間が正確に守られ 
 
「彼らをこのまま置き去りにすれば、タリバンに確実に処刑される 
韓国の信義と意志を国際社会に再認識させなければならない」
駐アフガニスタン韓国大使館のキム・イルウン公使参事官が無事にカブール空港から脱出するアフガニスタン人協力者を抱きしめ涙を浮かべている=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 アフガニスタンで長ければ7~8年のあいだ韓国政府に協力し働いていた現地人とその家族391人が、無事に韓国行きの飛行機に乗るまで、戦争映画の脱出作戦のような緊迫した状況が続いた。

 当初、韓国行きを希望したアフガニスタン人は427人。韓国政府は8月から彼らに対する退避計画を立てていたが、政府の判断よりアフガニスタン情勢は急激に悪化した。24日に予定されていた人員のうち26人だけがカブールを脱出したという知らせは、作戦失敗に対する不安感を高めた。しかし、25日、今月生まれた新生児3人と子ども約100人を含む計391人が無事にカブールを脱出することに成功した。国防部は今回の移送作戦名を「ミラクル」(miracle)と名付けたが、文字通りに「カブールの奇跡」がなされたのだ。

 25日の外交部の説明によれば、365人は24日にバス6台に分乗し、順次カブール空港に到着した。前日に空港に入った26人は、早めにタリバンの検問での尋問と空港周辺の人波を抜けて空港周辺に留まり、歩いて入っていった人たちだった。数字が示すように、個人がカブール空港に入っていくことは極めて困難だった。幸い22日に米国政府が友好国に提案した「バスモデル」が可視化され、韓国政府は翌日、米国政府とタリバン間の合意により空港に入れるバスを交渉で得ることに成功した。タリバンがカブールに侵入した直後にカタールに撤収し、アフガニスタン人の韓国内への移送を支援するために22日にカブールに戻った駐アフガニスタン韓国大使館職員らの素早い措置が大きな役割を果たした。

 韓国と長い間共に仕事をして慣れていたからこそ可能だった「韓国式ピラミッド連絡網」も、彼らの脱出過程で大きな役割を果たした。大使館と韓国国際協力財団(KOICA)、バグラム韓国病院などの勤務地別に代表者を選び、すみやかに連絡が行われた。彼らは集合場所と時間を共有し正確に集まった。外交部高官は「連絡網が非常にしっかりしていた」おかげで「極めて効率的に動き、希望者は100%近くが集合でき、今朝無事に入れた」と述べた。しかし、バスに分乗してからも空港に入るまで少なくない時間を要したその過程では、新生児の健康に異常が生じるのではないかと思い、大使館職員らは安心できなかった。幸い空港周辺の状況は、銃声が鳴り響いた15~17日の大使館職員撤収時より安定した状況だったという。彼らは韓国時間午後6時、無事にパキスタンのイスラマバード空港に到着した。

 当初韓国行きを希望した427人のうち36人は、自己都合でアフガニスタンに残ったり第3国への移送を選んだ。それにより、26日に仁川国際空港に到着する人々は、大使館(21世帯81人)、病院(35世帯199人)、職業訓練院(14世帯74人)、チャーリーカール基地の地方再建チームの関係者(5世帯33人)、KOICA(1世帯4人)の勤務者など391人に決まった。彼らは25日に約300人が搭乗可能な大型軍輸送機K-330(空中給油機)とC-130に乗り、26日午前と午後にそれぞれ到着することになる。国防部当局者は、輸送作戦に軍の要員60~70人が投入されたと説明した。

 外交部はひとまず彼らに3カ月の短期ビザを支給した後、長期滞在ビザに一括変更する措置をとる予定だと説明した。彼らの身元に対する一部の懸念については「何度も検討と確認を終えた」と明らかにした。彼らと共に勤務していたコン・ドクス元バグラム職業訓練院院長は「最近、バグラム米軍基地内でかつて韓国病院と職業訓練院として使っていた建物がタリバンによって爆破された。タリバン統治下で韓国病院の職員と訓練院の協力者をそのまま置き去りにすれば、タリバンによって処刑されるのがほぼ確実視される」と述べた。彼は続けて「(彼らを)救出するのは、人道主義の側面だけではなく、韓国は決して友人を見捨てないという韓国政府と国民の信義と意志を国際社会に再認識させる重要な機会」になると述べ、国民の理解を求めた。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1009119.html韓国語原文入力:2021-08-25 22:13
訳M.S

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