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「気温低下と共に感染者増加…40~50代の接種速度を上げるべき」

登録:2021-08-25 10:28 修正:2021-08-25 13:44
「新型感染症における医療対応の現実と課題」討論会 
「未接種の60代を保護しなければ、1カ月以内に重症患者が発生」
今月23日、ソウル市銅雀区の舎堂総合体育館に設けられた新型コロナウイルス予防接種センターでの様子/聯合ニュース

 これからだんだん気温が下がり、新型コロナウイルスの感染拡大がさらに進むと見られる中、高危険群である60代以上のワクチン未接種者に対する接種と、40~50代に対する2回目の接種を、20~30代より急がなければならないという指摘が出ている。

 中央感染病病院のパン・ジファン運営センター長は24日、共に民主党の公共医療特別委員会が主催し、国立中央医療院公共保健医療本部の主管で開かれた討論会「新型感染症における医療対応の現実と課題」でこのように指摘した。パン氏は「パンデミック状況では全部をうまくやることはできず、迅速かつ費用の効率的な対応戦略が必須だ」とし、「疫学調査の場合、高危険群の露出の懸念が大きい集団感染を優先して対処し、病床は軽症・無症状患者の隔離空間ではなく、本当に治療が必要な高危険群患者に提供されなければならない」と述べた。

 特にパン氏は、「若者10人、20人、30人に接種するよりも、高齢者1人の接種を完了することのほうが重要だ」と強調した。また「最近、政府やメディアが(未接種年齢層のうち相対的に高齢の)40~50代の重症患者が増えた点に注目しているが、それならば40~50代に対する接種をその下の年齢層より早くさせるのが論理的だ」と述べた。統計を通じてより迅速に保護すべき対象が明らかになっているにもかかわらず、政府が高齢層の優先保護戦略を施行したり、マスコミが強く訴えたりしていない点を指摘したのだ。

 さらに40~50代よりも保護が急がれる人たちは、60歳以上の高齢層のうち接種を終えていない人たちだ。オ・ミョンドン新型感染症中央臨床委員長はこの日の討論会で「60歳以上の高齢者のうち130万人がまだ1回目の接種を受けておらず、543万人が2回目の接種を受けていない状態」だとし「この人たちをいま保護しなければ、今後1カ月以内に重症患者と死亡者が彼らの中で発生するだろう」と指摘した。

 しかし政府は、ワクチンの量が限られていることにより、ファイザーやモデルナなどmRNAワクチンの接種の間隔を従来の3~4週間から6週間に延ばし、1回目の接種者を増やすことに力を注いでいる。これを通じて、秋夕(チュソク、旧暦の8月15日=今年は新暦9月21日)前までに、国民の70%が1回目の接種を受けるようにするのが目標だ。供給に支障を来していたモデルナが、今後2週間で700万回分を供給することを約束したため、この量もまた18~49歳の1回目の接種をスピードを上げるのに使うと政府は同日明らかにした。

 パン氏は「ある特定の時点までに全国民の70%を接種させるという政府レベルの目標より重要なのは、新型コロナに特に感染してはならない高危険群に対し、2回目の接種を急いで終えること」だとし「秋になって気温が下がれば、全体の感染者数は増えざるをえない。政府は感染者数の増加を防げなかったという非難が出ることばかりを意識せず、こうした状況で(高危険群の重症、死亡など)被害を最小限に抑える方法を講じなければならない」と述べた。

チェ・ハヤン、キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1008966.html韓国語原文入力: 2021-08-24 19:35
訳C.M

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