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強制動員被害者たち、韓国裁判所で再び敗訴…「消滅時効の3年が過ぎたため」

登録:2021-08-12 06:32 修正:2021-08-12 07:32
キム・ミョンス最高裁長官ら最高裁判事が2018年10月、強制労働の被害者が新日本製鉄(現・日本製鉄)を相手取って起こした損害賠償請求訴訟全員合議体の判決を言い渡すために席に座っている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期(日本の植民地時代)の強制動員被害者たちが日本の戦犯企業を相手に損害賠償訴訟を起こしたが、またもや敗訴した。2018年10月、最高裁判所(大法院)全員合議体が日帝強制動員被害者への賠償を命じる判決を確定したにもかかわらず、これを覆す下級審判決が相次いで言い渡されている。今回の判決は、法理的に従来の最高裁の判決に真っ向から反するとは言えないが、結果的に再び被害者の損害賠償請求権を認めなかった。

 ソウル中央地裁民事25単独のパク・ソンイン部長判事は11日、強制労働被害者ら5人が三菱マテリアル(旧三菱鉱業)を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原告敗訴の判決を下したと明らかにした。被害者たちは日帝強占期(日本の植民地時代)に日本に強制連行された後、強制労働を強いられ、精神的かつ肉体的に苦しめられたとして、三菱を相手に2017年2月、損害賠償訴訟を起こした。

 同日の裁判では、「損害賠償請求権消滅時効」の起算点をいつからにすべきかが争点となった。民法上の損害賠償請求権は、不法行為の損害や加害者を知った日から3年以内に行使しなければ、時効によって権利が消滅する。これに対し、Aさんら被害者らは、2018年の最高裁全員合議体の確定判決を基準に消滅時効を適用すべきだと主張した。一方、日本企業側は2012年の最高裁の破棄差し戻し判決を基準時点にすべきだと主張した。つまり、Aさんらは2017年に訴訟を起こしたため、2012年の最高裁判決を基準とする場合、消滅時効が成立していることになるが、2018年を基準とする場合は損害賠償請求権が認められるのだ。

 2012年に最高裁1部(主審・キム・ヌンファン当時最高裁判事)は、日本製鉄の強制労働被害者のイ・ジュンシクさんら4人が日本製鉄を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、「被害者の損害賠償請求権は韓日請求権協定で消滅していない」として原告敗訴の判決を下した原審を覆し、原告勝訴の趣旨で事件を破棄差し戻した。韓国の裁判所が初めて強制労働被害者の損害賠償請求権を認めたのだ。差し戻し審を担当したソウル高裁は2013年7月、最高裁の判決趣旨どおり、日本企業に被害者らにそれぞれ1億ウォンを賠償することを命じた。以後、最高裁判所は5年以上再上告審審理と判決を見送り、その間、ヤン・スンテ元最高裁長官時代、裁判所事務総局がこの事件と関連して裁判を遅らせるか、最高裁判決を覆す案を朴槿恵(パク・クネ)政権と協議するなど、裁判をめぐり「取引」をしたという疑惑が持ち上がった。

 これに対し、最高裁は2018年7月になって同事件を全員合議体に付託し、同年10月に被害者たちへの賠償を命じる判決を言い渡した。当時、事件の争点だった「韓日請求権協定で強制動員被害者の損害賠償請求権が消滅したか否か」について、最高裁全員合議体は「被害者の損害賠償請求権は消滅していない」と判断した。裁判官7対6の意見だった。

 しかし今回、ソウル中央地裁は日本企業側の主張を認めた。韓日請求権協定で強制動員被害者の損害賠償請求権は消滅したわけではないが、これを認めた2012年の最高裁での初判決から5年がたってAさんらが訴訟を起こしたことを理由に挙げた。強制動員被害者たちの損害賠償請求権を認めない判決が再びなされたということだ。ソウル地裁は「最高裁が2012年の判決で強制労働被害者の損害賠償請求権が消滅していないと判断し、これは破棄差し戻し審と再上告審を経て、2018年10月に確定した。ところが、Aさんらは民法上の消滅時効の3年を超えた2017年に訴訟を起こしたため、消滅時効が成立した」と説明した。

 これに先立ち、同地裁民事合議34部(キム・ヤンホ部長判事)は今年6月7日、強制労働被害者Sさんら85人が、日本製鉄など日本企業16社を相手取って起こした損害賠償訴訟で、却下判決を下した。当時、ソウル地裁は「大韓民国国民が日本や日本国民を相手取った個人請求権は韓日請求権協定によって消滅または放棄されたとはいえないが、訴訟でこれを行使することは制限される」とし、最高裁全員合議体の判決を覆し、波紋を広げた。

ソン・ヒョンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1007306.html韓国語原文入力:2021-08-12 02:46
訳H.J

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