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‘イ・ジェヨン体制’ 事前布石…‘経営刷新 約束’退色

原文入力: 2009-01-16 午後 10:02:17
三星社長団 人事の意味

クァク・ジョンス記者イ・ジョンア記者

←三星が大規模社長団人事を発表した16日、昼間昼食を終えた職員らがソウル,瑞草洞の三星電子社屋に入っている。 イ・ジョンア記者leej@hani.co.kr

 

三星が16日古参級社長らを大挙同伴退陣させる総入れ替えを通じて、グループ最高経営陣を全面改編した。60代古参の退陣と50代新陣の浮上と要約される今回の人事の裏面には、三星の未来と関連して見逃すことのできないまた別の‘キーワード’が隠されている。まさにイ・ゴンヒ元三星会長の長男であり‘後継者’として挙げられるイ・ジェヨン三星電子専務に経営権を渡すための事前布石だ。

借名口座・不法承継・ロビー 関連人物昇進・再起用
20人余り一度に退陣…‘見えない手’の疑い

←イ・ゴンヒ前三星グループ会長の一人息子,イ・ジェヨン三星電子専務が16日昼ソウル,瑞草洞,三星電子社屋を出て車に乗ろうとしている。 イ・ジョンア記者leej@hani.co.kr

代表的事例としてはチェ・ジソン(58)三星電子情報通信総括社長の浮上が挙げられる。イ専務の‘家庭教師’とまで呼ばれるチェ社長は組織改編以後、三星電子のツートップ中の一つであるデジタルメディアおよびコミュニケーション部門長(社長)を引き受けることになった。電子のまた他の側であるデバイスソリューション部門長を引き受けるイ・ユンウ(63)副会長の年齢を考慮すれば、チェ社長が電子を総括するのは時間の問題であるわけだ。イ専務の大学の先輩であり、彼が直接<文化放送>から迎え入れたイ・インヨン三星電子専務も副社長に昇進しグループ広報チーム長として前進配置される。グループの‘口’の役割をして総帥のイメージ管理に責任を負う席に側近が座るのだ。三星のある役員は「今回の人事にイ・ジェヨン専務の意向がとても強く反映されたようだ」と話した。

最側近人事 前進配置

今回の人事のまた別の核心ポイントは、昨年4月三星が発表した経営刷新案の精神がまともに反映されたのかだ。当時キム・ヨンチョル前構造調整本部法務チーム長の秘密資金疑惑暴露と特検捜査に責任を負って、イ・ゴンヒ会長が経営一線から退きグループ指令塔の戦略企画室を解体するなどの刷新案を出した。戦略企画室責任者のイ・ハクス副会長は刷新案発表当時、「三星の刷新は今日の発表で完成されたのではなく単に開始であるだけ」と強調することもした。このような点から三星エバーランド転換社債安値発行事件の責任を負って1・2審で有罪判決を受けたホ・テハク三星石油化学社長とパク・ノビン エバーランド社長が同伴退陣したことは自然な措置と受け入れられる。

だが、この日の社長団人事には刷新案の趣旨に逆行する内容もあちこちに眼に触れる。三星借名口座の責任を負って退いたペ・ホウォン三星証券社長を三星精密化学社長として、経営権不法承継疑惑と関連して起訴されたユ・ソンニョル三星カード社長を三星トータル社長として再起用したことが代表的な例だ。ユ社長はエバーランド転換社債安値発行当時、構造調整本部の財務チーム長として責任を抱え込んだことに対する‘補償性格’という話が流れ出る。チャン・チュンギ前戦略企画室企画担当副社長が社長に昇進し、グループ広報の総責任者である三星ブランド管理委員長を引き受けたのも刷新案の趣旨に合わないとの指摘がある。チャン社長は三星の情報収集とロビー業務を総括した人物だ。チェ・ジュヒョン前戦略企画室経営診断担当副社長もエバーランド社長で昇進した。第一毛織社長に昇進したファン・ベク副社長は三星事件2審の時に裁判所を相手にしたロビーに主導的役割をしたと伝えられている。

←三星社長団人事

社長団人事の方式や過程についても釈然としないという指摘が多い。三星ではイ・ゴンヒ会長や戦略企画室前職役員らの関与なしで社長団協議会傘下の人事委員会で人事基準を定めたと説明した。また各社の社長らと理事会がこの基準を何の異議なしに100%従ったと話す。だが満61才を越えれば経営実績に関係なく無条件に退くという機械的基準に合わせて20人余りの社長が皆勇退したという説明は簡単には納得し難い。グループ内外では人事基準を作り勇退を圧迫した‘見えない手’があったという見解が支配的だ。

“胴だけあって頭はない”

今回の人事は法的に責任あるグループ指令塔なしにグループ体制を維持している三星の支配構造問題を再び浮上させた。三星は外形的には社長団協議会と傘下の3ヶ委員会という協議体を通じてグループを維持している。だがこれら組織は法的設立根拠や責任性はない。社長団協議会傘下支援室の役員も「今の三星は胴はあるのに頭はない怪物と同じだ」と打ち明けた。キム・サンジョ経済改革連帯所長は「三星が透明で責任あるグループ指令塔を作ることができず、今の非正常的体制を維持すれば経営と支配構造の不安定性が解消されにくい」と話した。 クァク・ジョンス大企業専門記者 jskwak@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/333793.html

原文:  訳J.S