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韓国政府、在韓中国大使のTHAAD関連反論に「発言に慎重を期すべき」

登録:2021-07-19 05:30 修正:2021-07-20 07:00
ユン・ソクヨル前検察総長のTHAAD配備関連発言への反論表明を警戒
シン海明・在韓中国大使の寄稿文が掲載された「中央日報」16日付29面//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が在韓米軍のTHADD(高高度防衛ミサイル)配備などに対するユン・ソクヨル前検察総長の立場に対し、翌日、反論を表明したシン海明・在韓中国大使に、発言に慎重を期するよう要請した。

 外交部当局者は18日、「駐在国の政治家の発言に対する外国公館の立場表明は、両国関係の発展に否定的な影響を及ぼすことのないよう、慎重に行われる必要がある」と述べた。これに先立ち、ユン前総長は15日、「中央日報」とのインタビューで、「(中国が)THAAD配備撤回を主張するなら、まず自国国境付近に配備した長距離レーダーを撤収すべきだ」などと主張した。これを受け、シン大使は16日、同紙に「韓中関係は韓米関係の付属品ではない」という題名の反論を寄稿した。外交部の立場表明はシン大使の寄稿への対応として行われたものだ。

 同寄稿でシン大使は「(ユン前総長が)インタビューで、中国のレーダーに触れたが、この発言は理解できない」とし、「韓国の友人から中国のレーダーが韓国にとって脅威になるという話を一度も聞いたことがない」と反論した。同時に「(THAADが)中国の安保利益を損ない、矛盾する当時の韓国政府の言動が両国間の戦略的相互信頼を損なった」と指摘した。中国政府は「THAADに関する要請や協議、決定がない」と言っていた朴槿恵(パク・クネ)政権が北朝鮮の4回目の核実験(2016年1月6日)後、中国側とこれといった話し合いもなく、THAAD配備を検討・発表したことに反発し、いわゆる「THAAD報復」に乗り出した経緯がある。

 在韓中国大使館はその後、ホームページにシン大使の寄稿文を掲載し、「韓国の次期大統領候補であるユン・ソクヨル前検察総長が数日前、『中央日報』とのインタビューで、中韓関係、韓米関係、THAADおよび半導体分野における中国との『デカップリング』などについて言及した不適切な発言に対し、中国側の立場を表明した」と付け加えた。これに対し、政界の一部では野党の有力な大統領候補に対する中国大使の反論は「大統領選挙への介入」であり、「外交的欠礼」だという声もあがっている。外交部も、大使の発言が不適切だと判断し、在韓中国大使館側がこのような立場を伝えたという。

 一方、外交部当局者は「THAAD配備に対する韓国政府の立場には変わりがない」と再確認した。韓国に配備されたTHAADは、北朝鮮の核・ミサイル脅威への対応という本来の配備目的によって第3国をターゲットにせず、中国の戦略的安保利益を損なわないというのが、韓国政府がこれまで繰り返し表明してきた立場である。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1003988.html韓国語原文入力:2021-07-18 16:15
訳H.J

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