原文入力:2010-01-13午後07:34:56
イ大法院長 就任時 過去清算‘壮大な始まり’
4年余り準備‘60年史’反省なく‘みすぼらしい結末’
キム・ナムイル記者
司法府が去る60年間の裁判所の制度変化と権力による司法権侵害事例,主要事件判決内容等を含んだ<歴史の中の司法府>(以下<60年史>)を13日出した。参加政府の時に始まった司法府の過去史整理作業の完結版だ。
だが<60年史>に対する評価は冷たい。拷問・操作論議がふくらんだ時局・公安事件に対する評価や反省がなく裁判の経過だけを羅列するなど‘過去清算’という名前を付けることさえ、きまりが悪いという批判が出ている。
代表的な事例が‘ソン氏一家スパイ団事件’だ。何と116日間の不法拘禁と拷問を通じ捜査機関が作りあげたスパイ事件と明らかになったが、司法府は国家安全企画部(安全企画部)の圧力を受け結局、有罪判決を確定した経緯がある。当時司法府が権力の要求を積極的に受け入れることにより正義を破った判決なのに<60年史>では単純に事件の流れだけを整理してしまった。
イ・ヨンフン大法院長は2005年9月26日、第14代大法院長に就任し「権威主義時期に政治権力から独立をきちんと守れなかった」とし就任一声で司法府の過去清算を強調した。当時は各分野で暗い過去を清算する作業が進行中であり、独裁権力と野合した司法府もこういう社会的要求を避けられなかった。
以後4年3ヶ月がすぎ保守政権下で任期後半部をむかえたイ大法院長はその結果である<60年史>をあまりにも‘静かに’出した。本の内容を調べた関連学者らは「残念なことこの上ない。‘これほどの大山鳴動ネズミ一匹’もない」とした。‘真実・和解のための過去史整理委員会’委員長を務めたアン・ビョンウク カトリック大教授(国史学)は「司法府自ら反省したものがない。一般会社で出した社史水準」と話した。
国家情報院過去史委委員を引き受けたハン・ホング聖公会大教授(韓国史)も「参加政府時は大法院長が先に過去清算の話を取りあげておきながら政権が変わった後には蒸らして今度は最初から刈り入れたと見える」とし「恥ずかしいほどに過去の歴史反省が一つもなかった」と批判した。
大法院関係者はこういう結果が出た理由を「個別事件に対し裁判所の主観的評価を盛り込むことは危険で客観的根拠のある事件だけを扱ったため」と説明した。その一方で「批判は覚悟している」とした。ある編纂委員は「編纂方向を巡り(内部で)論議があった」とし「新政府がスタートする頃に編纂委が組まれたがMBコード合わせの影響はなかったと言うのは難しい」と打ち明けた。
過去の歴史清算に否定的な政府気流に便乗し、当代に自ら解かなければならない宿題を曖昧に受け渡したのだ。解決したのではなく回避したので、後代はさらに大きな荷物を抱え込むことになった。
キム・ナムイル記者namfic@hani.co.kr
原文: 訳J.S