ユン・ソクヨル前検察総長の義母であるC被告(75)が特定経済犯罪加重処罰法(詐欺)違反などの疑いで今月2日、懲役3年の刑を言い渡され、法廷拘束された中、ユン前総長の妻のキム・ゴンヒ氏の「ドイツモーターズ株価操作関連疑惑」などの捜査にも関心が集まっている。最近、大規模な検察人事でソウル中央地検捜査チームに金融犯罪捜査経歴の長い検事たちが合流し、ユン前総長家族をめぐる金融犯罪疑惑捜査が本格的に行われるものとみられる。
4日、本紙の取材を総合すると、キム氏の株価操作関連疑惑や「コバナ・コンテンツ協賛金授受疑惑」を捜査中のソウル中央地検反腐敗・強力2部(チョ・ジュヨン部長)に、パク・ギテ検事とハン・ムンヒョク検事が副部長検事として2日に赴任した。ハン副部長検事は「汝矣島(ヨイド)の死神」と呼ばれたソウル南部地検証券犯罪合同捜査団で「新羅ジェン株価操作」事件などを捜査しており、パク副部長検事は同じ検察庁で企業・金融犯罪を担当した刑事6部で故チョ・ヤンホ韓進グループ会長の横領・背任捜査を担当したという。
ソウル中央地検の反腐敗2部は、ユン前総長の妻のキム氏が関与したドイツモーターズの株価操作およびドイツフィナンシャル株式売買における特別恩恵疑惑事件を昨年末から捜査している。これらの疑惑は、ドイツモーターズのクォン・オス会長が2010~2011年に相場操作を通じて株価を操作する過程で、キム氏が株式と資金を提供し、その差益を得たというのが主な内容だ。
義母のC氏もドイツモーターズの株価操作疑惑事件に介入した情況が明らかになったという報道も最近出た。しかし、C被告側は立場を発表し「キム氏とC被告が株価操作に関与した事実はなく、公訴時効も成立している」とし、これらに関する疑惑を否定した。資本市場法上、株価操作の利益金が5億~50億ウォン未満の場合、時効は10年だが、キム氏が株式と資金を支援したとされる時点が2010年初めであるため、昨年時効が満了したという主張だ。しかし、株価操作の主な役割をしたA氏がドイツモーターズの株価操作と関連して2012年にも他人とIPを共有した情況を検察が確保したとされ、キム氏の株価操作関与疑惑が包括一罪(互いに異なる時点の犯罪行為を一つの罪とみなす)で処分される可能性もある。
反腐敗第2部は、キム氏が運営する展示企画会社「コバナ・コンテンツ」の協賛金授受疑惑事件も担当している。2019年6月にユン前総長が検察総長候補に指名された後、大手企業の協賛会社が従来の4社から16社に急増したことで疑惑が持ち上がった。
金融犯罪捜査の専門家たちが反腐敗2部に集中的に配属されたことをめぐり、法曹界内外ではユン前総長家族の疑惑をめぐる強力な捜査を念頭に置いたものとみている。検事長出身のある弁護士は「検察が徹底した捜査なしにこれら事件に結論を下した場合、“身内をかばっている”と見られかねない」とし、「検察としても今回の捜査は“身内に甘い”という汚名を返上する機会」と述べた。これまでの捜査チームがドイツモーターズの株価操作疑惑関連者への調査と家宅捜索をかなり行っただけに、新しい捜査チームが裏づけ捜査を行い、早いうちに当該事件の結論を下すものとみられる。