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「農地法違反」事実上認めたユン前検察総長の義母の荒唐無稽な釈明

登録:2021-04-07 02:42 修正:2021-04-07 08:07
[ユン・ソクヨル前総長の義母C氏の農地法違反疑惑] 
ユン・ソクヨル義母側「第三者耕作は問題ない」…報道後ようやく弁護士を通じて立場表明 
専門家は「農地法違反を認めたかたち」…「第三者耕作も自作農原則に違反」指摘
ユン・ソクヨル検察総長が先月4日午後、ソウル瑞草区の最高検察庁で突如辞意を表明している/聯合ニュース

 ユン・ソクヨル前検察総長の義母(妻の母親)が、京畿道楊平郡(ヤンピョングン)のマンション建設事業中に農地法に違反したという疑いが持たれている中、義母側の弁護士が「農地を買って不動産を開発するのは、一般的に通用する正常なこと」とし「農地取得後も第三者を通じて耕作していた」との立場を明らかにした。しかし専門家は、こうした釈明が「むしろ投機目的で農地を購入したことを自認したかたち」とし「第三者が耕作したことも、自作農が所有することになっている農地法に違反したことを自認したもので、自縄自縛」だと指摘した。先にユン前総長は、農地法違反が主な手法として使われた韓国住宅土地公社(LH)の投機事件を「亡国犯罪」と批判している。

 5日午後、ユン前総長の義母C氏(75)の法律代理人ソン・ギョンシク弁護士はメディア各社に対し、C氏の農地法違反不動産投機疑惑についての立場を明らかにする文書を送った。同文書は「農地法違反はなかった。農地は法人名義では取得できないため、個人が農地法を順守(農作物を栽培)しつつ取得することは、すべての不動産開発業で通用する正常な業務処理」と主張した。また「取得後も第三者によって耕作され、『農地としての機能』を完全に維持していた」と付け加えた。

 その日午前、本紙は、C氏が2006年から京畿道楊平郡楊平邑公興里(ヤンピョンウプ・コンフンリ)一帯でマンション建設事業を行った際、数百坪の農地を購入する過程で農地法に違反した疑いがあると単独報道した。取材過程で本紙は、C氏とユン前総長に数回にわたって電話やショートメッセージで疑惑についての立場を尋ねたが、回答は得られなかった。しかし、この報道があった後になって、ようやく弁護士を通じて立場を明らかにしたのだ。C氏の代理人を務めるソン弁護士は、ユン前総長のメディア対応も担っている。

 専門家は、C氏側の釈明はむしろC氏の農地法違反を立証していると指摘する。C氏が当初から不動産開発を目的として農地を購入したということを認めたかたちになるというのだ。経済正義実践市民連合の農業改革委員のイム・ヨンファン弁護士は、「農地購入の目的が不動産開発だったとすれば、明白な農地法違反に当たる」と述べる。農地法第6条は、「農地は自己の農業経営に利用することとし、利用者でなければ所有できない」と定めている。

 公益法律センター「ノンボン」代表のハ・スンス弁護士は「農地投機が深刻な社会問題となっている状況において農地法違反を当たり前のように言うのは、彼らの法治主義と社会正義についての観念に疑問を抱かせる。LHの職員も開発目的で取得したのだから問題ないということなのか尋ねたい」と皮肉った。

先月の辞任以来、事実上政治家としての動きを見せているユン・ソクヨル前検察総長/聯合ニュース

 C氏側が「第三者を通して耕作した」と述べたことも失笑を生んでいる。農地法は耕作者が田畑を所有することを原則としている。自ら農業を営む人だけが農地を所有できるということだ。代理耕作は、選挙による公職への就任などの一部の場合に限って例外的に可能となる。ハ弁護士は「農地は自ら耕作する『自作』が原則だが、第三者によって耕作したと言っている。自白のような釈明だ」と述べた。地方自治体の農地取得業務を担当するある公務員は、「農地法違反事例の中でも代理耕作は最も摘発しにくいものだが、これを自ら打ち明けたかたち」と語った。

 この日、C氏側は「自然緑地を一般住居地域に変えたことは、特恵ではなく正常な事業進行」とし「異例ではない」とも主張した。しかし、この業務に詳しいある公務員は「こうした用地変更は一般的で通常のものではない。納得できない釈明」と反論した。用地変更当時の郡議会の会議に出席したある郡議員は「乱開発問題などを考慮して反対すべきとの考えもあったが、郡庁が強く進めている中では、開発事業に反対することは難しかった」と説明した。

 一方、C氏側のソン弁護士は本紙の疑惑提起について、「地方選挙を控えて、政府の不動産政策での失政を薄めるための、政治目的の報道だ」と主張した。これについては、事実関係を根拠とするメディアの正当な問題提起を政治的意図と解釈するのは穏当ではない、との指摘が出ている。元判事のある弁護士は「ユン前総長は退任後、事実上政治家として振る舞っている。政治家なら本人はもちろん、家族に関する問題も当然メディアの検証対象となる。検察総長だった時には政治家に抽象的な道徳性を求めていたのに自分に対しては検証もするなというのは、“自分はロマンス、他人は不倫”(他人には非難した行為を自分がするとき合理化すること)の論理」と批判した。

 先月10日にユン前総長はLH問題について「亡国犯罪」と批判し、「特権と反則なく公正なルールが守られるという信頼を与えることこそ、基本中の基本」と述べている。

イ・ジュンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/989762.html韓国語原文入力:2021-04-06 04:59
訳D.K

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