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文大統領「日本の輸出規制が材料・部品・装備の独立の勝負所だった」

登録:2021-07-02 21:04 修正:2021-07-03 08:46
半導体の材料・部品・装備成果懇談会 
「国民が力を集めて危機を克服した」
文在寅大統領が2日、ソウル市江南区のCOEXのASEMボールルームで開かれた「大韓民国の材料・部品・装備産業成果懇談会」で発言している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 2019年の日本の奇襲的な対韓国輸出規制から2年をむかえて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「私たちの経済に大きなショックになるとの憂慮が多かったが、韓国の企業と国民が力を集めて危機を克服した」とし「『誰も揺さぶることのできない国』に向かって前進した」と宣言した。

 文大統領は2日、ソウルのCOEX貿易協会が開いた「材料・部品・装備産業成果懇談会」で、「奇襲攻撃のように始まった日本の不当な輸出規制措置に対抗して、材料・部品・装備の自立の道を歩いて2年になった」とし「かえって主要品目の国内生産を増やし、輸入先を多角化して、材料・部品・装備産業の自立度を画期的に高める契機にした」と話した。

 文大統領はその成果として、日本の輸出規制を受けた半導体製造工程の主要素材である3大品目のサプライチェーンの構築が安定したと明らかにした。50%に迫っていたフッ化水素の日本依存度を10%に下げ、フッ化ポリイミドは韓国国内で技術を確保し、極端紫外線(EUV)用フォトレジストはグローバル企業の国内での量産を控えていると紹介した。100大主要品目に対する対日依存度も25%まで減らしたと述べた。文大統領は「私たちが勝ち得た教訓は、グローバル・サプライチェーン内でも自らの強みを生かし、主要な材料・部品・装備については自立力を備え、特定国家への依存度を低くしなければならないということ」と明らかにした。

 大統領府はこうした成果について「大統領の決断」を強調している。前日、パク・スヒョン大統領府国民疎通首席はフェイスブックに、「指導者の孤独な決断により『材料・部品・装備の独立運動』の方向が決定された」という文を載せ、日本が2年前に奇襲的な輸出規制をした時、大統領府と政府は「外交的方法による解決」に意見を集約したが、文大統領は正面対応の方向性を決めていたと説明した。

 当時、文大統領は参謀たちから「仕方ないという『現実論』」に立ったメッセージ草案を受け取り、沈黙した後で緊急会議を招集した。その会議で「囲碁を知っていますか? 碁を打つ時にここが勝負所と感じる局面があるでしょう。この問題では、今が囲碁の勝負所だと思いませんか。私は今が材料・部品・装備の独立を成し遂げられる勝負所だと思います。なのにどうしてこんなメッセージを建議できるんですか」と、文大統領は参謀たちに詰め寄った。

 パク・スヒョン主席は「文大統領の普段の話法とスタイルを考えれば、非常に強い叱責」と表現した。会議の後「『この危機を勝ち抜けないならば、永遠に技術独立の道はない』というリーダーの強力な意志が参謀に伝えられ、2年前に『材料・部品・装備独立運動』の方向が決まった」と話した。文大統領はその年の下半期を通して日本の輸出規制に対抗し、政府と民間が共に力を集めることを促し、そうした状況の中で南北米間の対話と交渉中断、雇用問題改善不十分などの懸案は相対的に遮られた。その後、韓国と日本は「ホワイトリストからの除外」や「韓日軍事秘密情報保護協定(GSOMIA)」を経る中で、ますます強硬対応に駆け上がった。

文在寅大統領が2日、「大韓民国の材料・部品・装備産業成果懇談会」の参席者と記念写真を撮っている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 韓日関係は現在、国交正常化以来最悪の冷却期に入った状態だ。先月、英国で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した文大統領は、日本の菅義偉首相と略式でも会談を持とうとしたが、菅首相がその席を避けて失敗に終わるなど、容易に関係改善の糸口を見いだせずにいる。大統領府関係者は、輸出規制解消のための日本との交渉の有無について「日本が輸出管理に関して要求した指摘事項をすべて満足をさせた後、輸出規制を原状回復してほしいと要求した。しかし、日本はそれに対して立場を明らかにしていない状況」と伝えた。

 ただし文大統領はこの日の懇談会で、「韓国政府は何でも自立すべきと考えてはいない」とし「韓国政府は日本の輸出規制に対しても、外交的解決のために努力している」と話した。文大統領が座っている机には、「これらのすべては、材料・部品・装備から始まった!」と書かれていた。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1001907.html韓国語原文入力:2021-07-02 17:48
訳J.S

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