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金正恩総書記「食糧事情が厳しい…農業が最優先の戦闘課題」労働党中央委で発言

登録:2021-06-17 10:02 修正:2021-06-17 12:27
朝鮮労働党中央委第8期第3回全員会議 
経済問題が全体会議の中心議題に 
対米・対南関係の方向性に結論出すかに注目
北朝鮮が今月15日、労働党中央委員会第8期第3回全員会議を開いたと「朝鮮中央通信」が16日に報じた。今回の全員会議では国際情勢に合った国家的な重大事業について話し合う予定だと同通信は伝えた/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は「現在、人民の食糧事情が厳しくなっている」とし「農業に力を集中することが切実だ」と述べた。「労働新聞」が16日、1~2面に渡って報じた。

 金正恩総書記は15日に始まった労働党中央委員会第8期第3回全員会議で「農業を向上させること」が「党と国が最重要視かつ最優先的に解決しなければならない戦闘的課題」だとし、このように督励した。

 金総書記は食糧事情が悪化した理由として「昨年の台風被害で穀物生産計画が達成されなかったこと」を挙げた。すでに韓国のイ・イニョン統一部長官は、北朝鮮の昨年の作況が水害のため「平年より20万~30万トン減った」とし、食糧・肥料支援の意思を何度も明らかにしている。国連食糧農業機関(FAO)も北朝鮮の今年の食糧不足量が86万トンに達すると推算した。

 「労働新聞」は「現在の国際情勢に対する分析と我が党の対応の方向」が今回の会議の主要議題に上ったと伝えた。しかし、詳細内容が公開されていない上、「全員会議は続く」という同紙の報道に照らし合わせると、初日の会議ではこの問題が具体的に扱われなかったようだ。会議で論議・決定される「国際情勢の対応方向」は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とジョー・バイデン米大統領が5月21日(現地時間)のワシントンでの首脳会談で明らかにした対北朝鮮政策基調に対する金総書記の「公式答弁」の性格を帯び、下半期の朝鮮半島情勢の尺度となるので、特に注目の的となっている。

 金総書記は「(新型コロナウイルスの大流行に伴う)非常防疫状況の長期性に徹底して備えることについての問題」を議題として提示し、「非常防疫状況の長期化」は「強い(防疫)規律を順守する気風の長期化」であり「人民の衣食住を保障するための闘争の長期化」であると規定した。

 金総書記は「朝鮮革命特有の生命力である百折不屈の革命精神と自力更生、艱苦奮闘の闘争気風が最大に必要な時」だとし「今年の政策的課題を必ず完遂するための徹底した対策を立てることが、今回の全員会議を召集した基本的趣旨」だと明らかにした。金総書記は「国の経済は全般的に立ち直っている」とも述べた。

 金総書記のこうした経済・農業・非常防疫の強調は、新しい政策基調ではない。遡れば「経済戦線を基本戦線に、農業戦線を主打撃前方とした自力更生での正面突破戦」を宣言した2019年12月の党中央委第7期第5回全員会議以降、最近では「国家非常防疫体制転換」を宣言し国境を閉鎖した昨年1月以降、一貫した対内政策の基調だ。今回の会議に正規の出席対象ではない「連合企業所の責任者」が「傍聴(発言・議決権のない出席)で参加した」という「労働新聞」の報道は、金総書記の経済重視路線を反映するものであり、経済問題が今回の会議の中心議題であることを裏付けている。

 一方、同紙は金総書記が「北朝鮮式社会主義の前途と人民の運命がかかっている反社会主義、非社会主義との闘争をさらに攻勢的に展開していく上で指針とすべき原則的問題を明らかにした」と伝えた。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/999629.html韓国語原文入力:2021-06-17 02:30
訳C.M

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