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菅首相、合意されていた韓日会談を一方的に取り消し…「外交的欠礼」が問題に

登録:2021-06-15 06:25 修正:2021-06-15 07:13
韓日外交当局、G7で略式会談の開催に合意 
両国の首脳も承知していたとされるが 
文大統領、菅首相に二度近づいたのに 
菅首相「韓国が徴用工の解決策を示すべき」
G7首脳会議に出席するために英国を訪問中の文在寅大統領が今月12日(現地時間)、英国コーンウォールのカービスベイの二国間会談会場の前で、参加国の首脳らと記念撮影を行ってから移動している=コーンウォ―ル/聯合ニュース

 韓日首脳は主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれた英国のコーンウォ―ルで首脳会談を開く予定だったが、日本がきちんとした通知もなく、日程を取り消したという。この過程で菅義偉首相が納得しがたい「外交的欠礼」を犯していたことが確認された。なかなか改善の糸口をつかめない両国関係に、より大きな負担を与えるものと懸念される。

 韓国政府高官は14日、「韓日首脳がコーンウォ―ルで略式会談を開くことで合意していた。両国首脳もこれを承知していた。時間は流動的だったが、韓仏略式首脳会談と同じ形式で会う予定だった。しかし日本が一方的に約束を守らなかった」と明らかにした。

 ここで同高官のいう韓日首脳間の会合は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が13日(現地時間)午前、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と会った形式と同じ「略式会談」を指す。文大統領は同日、会談会場に設けられたラウンジで、マクロン大統領と10分ほど短い略式会談を行った。つまり、文大統領と菅首相も事前予告なしに会う“偶然の接触”ではなく、これと似た形式の略式会談を開くことで外交当局間で合意があったということだ。

 実際、文大統領は12日午後3時30分に主催国である英国の公式歓迎式が開かれ、午後4時から第1セッションの会議が開かれる前の合間を利用し、菅首相に近づき、「お会いできて嬉しいです」と挨拶した。事前の約束どおりなら、その後は自然に略式会談につながるはずだったが、菅首相が対話を先送りしようという意向を示し、接触は約1分で終わってしまった。日本経済新聞や毎日新聞など日本のマスコミによると、文大統領はバーベキュー形式で行われた晩餐会で、再び菅首相に近づいた。しかし菅首相は「失礼にならないよう挨拶」をしただけで、会談には応じなかった。文大統領は翌日、日本との接触の機会があると考えたが、菅首相は決まった日程を終え、そのまま現場を離れてしまった。菅首相はG7首脳会議の日程を終えた後、日本メディアと会い、「国と国との約束が守られていない状況だ」とし、 「(会談を開くような)環境にない。韓国が(問題解決のための)方向性を示すべきだ。文大統領が指導力を発揮して問題をしっかり片付けてほしい」と述べた。

 日本が会談に応じないとした理由は、15日に独島(ドクト)の海上で予定されていた海軍の「東海(トンヘ)領土守護訓練」だった。毎年上・下半期に2回行われるこの訓練に対し、日本は12日から外交部を通じて抗議の意を伝えてきたという。海軍側は「定例訓練を理由に首脳会談の日程を取り消すとは想像もできなかった」という反応を示した。

 文大統領は今回の略式会談を通じて、7月末に開かれる東京五輪開幕式などに出席するという考えを伝え、関係回復の糸口を見出そうとしたという。外交部当局者は「東京五輪の開催の成功に向けて韓国ほど一貫したメッセージを伝えてきた国があるだろうか」と残念がった。文大統領も13日午後にフェイスブックへの書き込みで、「菅首相と初対面するのは韓日関係において新たなスタートを切る貴重な時間だったが、会談につながらなかったことを残念に思う」と述べ、不満を滲ませた。菅首相が首脳会談の前提条件として「韓国が先に譲歩案を示すべきだ」という強硬な立場を貫いていることが重ねて確認され、両国の関係改善のきっかけを作ることは以前よりも難しくなった。また別の外交部関係者も、「状況がどうなるかもう少し見守りたい」と述べた。

 しかし日本は、G7首脳会議で韓日首脳間の会合の日程が決まっていたが、日本側が一方的に取り消したという韓国側の主張に強く反発した。加藤勝信官房長官は14日午後の定例記者会見で、「事実に反するのみならず、一方的な発信は極めて遺憾であり、直ちに韓国側に抗議した」と述べた。ただ、加藤官房長官の発言を注意深く見ると、韓国側の主張通り、事前に韓日首脳会談の日程が決まっている可能性も排除できない。加藤官房長官は「今回のG7首脳会議ではスケジュールなどの都合により韓日首脳会談は実施されなかった」と明らかにした。さらに「ごく短時間、両首脳の間で簡単なあいさつが交わされた」と述べた。加藤長官の説明どおりなら、事前に韓日首脳会談が約束されたが、日程のために実現しなかったものと解釈される可能性もある。韓国側は日本が会談に応じなかった理由が15日の独島の海上で予定された海軍の「東海領土守護訓練」だと主張している。

 日本政府も韓国の「東海領土守護訓練」について抗議をしたのは認めた。加藤官房長官は「竹島(韓国名・独島)が歴史的事実に照らして、国際法上も明白な日本固有の領土であることに鑑み受け入れることはできない」とし、「(訓練と関連して)韓国政府に強く抗議し、中止を求めた」と述べた。

キル・ユンヒョン、キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/999284.html韓国語原文入力:2021-06-1502:12
訳H.J

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