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「強制動員訴訟却下した判事の弾劾を求める」国民請願、1日で22万人が同意

登録:2021-06-10 02:36 修正:2021-06-10 07:46
却下判決後、批判続く 
「判事が日本極右の立場をそのまま反映」批判
大統領府ウェブサイトの国民請願掲示板より//ハンギョレ新聞社

 日帝による強制動員の被害者らが起こした損害賠償訴訟を却下したソウル中央地裁のキム・ヤンホ部長判事の弾劾を求める大統領府の国民請願に、22万人以上が同意した。「請求権協定で得た外貨は『漢江の奇跡』と評価される経済成長に貢献した」と、法律以外の内容にまで言及した判決をめぐる批判が高まっている格好だ。

 8日に大統領府の国民請願掲示板に投稿された「反国家的、反民族的判決を下した判事の弾劾を要求します」と題する請願には、9日午後までに22万人あまりが同意した。掲示されたその日のうちに20万人以上の同意を得たことから、政府の公式答弁の対象となった。

 同請願は「判事が根拠として提示した請求権消滅論は、日本の極右の立場をそのまま反映している」と指摘した。そして「キム判事は、判決が判事としての良心と法の条文にもとづいたものではなく、個人の政治的動機によるものであることを自らあらわにさえしている」とし「憲法を順守し、民族的良心を回復するためにも、キム判事を直ちに弾劾措置すべきだ」と主張した。

 ソウル中央地裁民事34部(キム・ヤンホ裁判長)は7日、強制徴用被害者のSさんら85人が日本製鉄、三菱重工業などの戦犯企業16社を相手取って起こした損害賠償請求訴訟を却下した。同法廷は、1965年に朴正煕(パク・チョンヒ)政権が締結した韓日請求権協定によって被害者個人の損害賠償は解決されているなどを却下理由に述べた。しかし「大韓民国が請求権協定で得た外貨は、いわゆる『漢江の奇跡』と評価される、世界の経済史に記録される目覚ましい経済成長に大きく貢献することになる」と言及するなど、判決の法理的根拠とは無関係なことに言及し、批判を招いた。被害者たちが勝訴すれば「国際的にもたらされうる逆効果」が懸念されるとか、「文明国としての威信は地に落ちる」などといった表現を用いてもいる。

 強制動員被害者らは裁判の結果について、「言葉を失う」「本当に韓国の判事と韓国の裁判所なのか」などと激昂し、直ちに控訴の意思を明らかにした。

チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/998640.html韓国語原文入力:2021-06-09 15:42
訳D.K

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