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韓国も新型コロナワクチンの交差接種の臨床試験へ…500人対象

登録:2021-05-21 06:42 修正:2021-05-21 07:06
専門家「同じワクチンの反復接種で効果が落ちる可能性も 
コロナ禍が長期化すればmRNAワクチンの追加接種の必要性高まる」
アストラゼネカ製(左)とファイザー製(右)の新型コロナワクチンの接種を準備する様子/聯合ニュース

 世界各国が新型コロナワクチンの「交差接種」の効果と安全性をめぐる研究に乗り出した中、韓国政府も1回目にアストラゼネカ製、2回目にファイザー製など異なるワクチンを交差接種する臨床研究を500人規模で始めることにした。専門家らは、コロナ禍の長期化により、土着病になる可能性が高くなったこと受け、交差接種が必要になるものとみている。

 新型コロナ予防接種対応推進団のイ・ユギョン・ワクチン接種分析チーム長は20日、「(疾病管理庁傘下の)国立保健研究院で国内のアストラゼネカ製のワクチン接種を受けた人を対象に、ファイザー製ワクチンなどを交差接種する臨床研究を進める予定」とし、「400~500人程度を対象に計画しており、同研究は予防接種の安全性と効果を高めるための案を模索するための基礎資料として使われる予定」だと発表した。イ・ユギョン・チーム長は「現在、研究を企画・準備しており、具体的な(試験の)時期について語る段階ではない」と付け加えた。

 推進団は、韓国国内での研究とは別に、国外で行われている交差接種の研究も注視している。現在、英国やイタリア、ロシア、中国などで交差接種に関する臨床試験が行われている。スペインの国営カルロス3世保健研究所は最近、アストラゼネカ製ワクチンで1回目の接種を受けた18~59歳の約670人のうち442人に対し、8~12週間後にファイザー製ワクチンで2回目の接種を行ったところ、免疫効果がより高まり、安全性にも問題がなかったと発表した。

 現在、韓国政府は交差接種を原則的に認めていない。稀な血栓症の副作用が懸念され、アストラゼネカ製のワクチン接種対象から30歳未満を除外したものの、先に同ワクチンを接種した20代の19万人に対しては、2回目も同社のワクチンをそのまま使うことにした。ドイツやフランスなどでは、1回目にアストラゼネカ製のワクチンを接種した一部の人に、2回目はファイザー製やモデルナ製など、mRNAワクチンの接種を勧告している。

 専門家らは、国内では稀な血栓症の副作用事例が公式に報告されていないため、アストラゼネカ製のワクチンを1回目に接種した人に、2回目は交差接種しなければならない状況ではないとみている。ただし、アストラゼネカ製やジョンソン・エン・ドジョンソン製のワクチンのように、ウイルス伝達体のワクチンは、繰り返し接種すると効果が低くなる可能性があり、コロナ禍の長期化と変異ウイルスの発生などのため、3回目のブースターショット(追加接種)の必要性が高まっている点に注目している。国内でも交差接種が必要な時期に備え、関連研究が欠かせないというのが大方の専門家の見解だ。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「交差接種の効果性と安全性が臨床研究で確認されれば、2回目の接種を受けた人の抗体効果の低下に備え、3回目の追加接種が必要になったとき、以前よりもっと多様な戦略を立てることができる」とし、「長期戦に備えるためにも、交差接種の効果に関する研究が必ず必要だ」と述べた。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)も、「今年後半や来年初めに追加接種が必要になる場合、その時から交差接種が本格的に活用されるとみられる」と予測した。

チェ・ハヤン、ソ・ヘミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/996015.html韓国語原文入力:2021-05-21 02:41
訳H.J

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