韓国で新型コロナの新規感染者は日々500~700人前後を行ったり来たりし、防疫当局を緊張させている。そのような中で、今年もミスコリア大会が開かれる。先月27日には釜山予選、今月9日にはソウル予選が行われた。8月までに江原道・慶尚南道をはじめとする12地域で予選が行われる予定だ。新型コロナの状況で参加者、審査委員、制作スタッフ合わせて100人前後の人員が室内に集まるという点も不適切だが、より問題なのはイベントの内容だ。
この日のソウル予選では、約10分間の「ビキニ映像グラビア」が上映された。参加者全員がビキニまたはモノキニ(腰または背中の部分が広く開いたワンピース型水着)を着て様々なポーズを取る姿を映像で制作して流したのだ。この大会を主催する韓国日報・グローバルE&Bは、2019年に水着審査が性を商品化しているという批判を受け入れ、これを廃止すると大々的に宣伝したが、ビキニは2年で復活した。
ビキニの上に制服の上着を着せておもちゃの銃を持たせたり、身体の一部やあめ玉をくわえた口をクローズアップしたりした映像が公開された。かつて「ミスコリア水着」として知られた青いワンピース水着よりも刺激的に感じられる映像だった。この日、観客席では「ビューティー韓国」(韓国日報より分社)が主催する「キッズコリア」(6~13歳の女の子を対象に真・善・美を選抜する大会)出身の子ども合唱団員9人も舞台を見ていた。
1957年から韓国日報が主催してきたミスコリア大会は今年で65回目を迎えた。歴史が長いだけに論争も絶えなかった。女性の外見・身体に点数をつける方式のため、性の商品化という議論が毎年起こった。2019年のミスコリア本大会では、前年度の受賞者7人が「コルセットと韓服、東洋と西洋の出会い」と題する韓服ファッションショーを披露したが、韓服をひどく変形させた上に露出の多い衣装だったため「韓服コルセット論争」が噴出した。
主催者側は今年、エントリー資格を一部緩和した。ミスコリア大会に対する批判の声が高く、関心も低下したため、参加者の確保が難しくなったためとみられる。エントリーできる年齢の上限を26歳から28歳に引き上げ、重複エントリーも可能とした。ソウル予選に落ちても他の地域から再度エントリーできるのだ。90日前までに該当する地域に転入しなければならないという規定も、大会当日前までに転入すればよいと変更された。
立場は厳しくなっている。2002年には地上波での生放送が中止された。その後はケーブルチャンネルに移り、昨年はOTTプラットフォーム「wavee」で先行公開し、ポータル(ネイバー)、ユーチューブに映像をアップロードした。9日に行われたソウル予選はユーチューブで生中継されたが、リアルタイムでの視聴者は最大で600人あまりだった。
主催者側は今年10月に本大会を行う予定だ。大会公式ホームページには9月中に合宿、9~10月中に本大会を行うと告知されている。コロナの拡散状況を見守った後、合宿を行うかどうかを決める予定だという。
ミスコリア大会主管社のグローバルE&Bのチャン・ソンヒョク代表は「性の商品化という批判を意識し、本社レベルで各地域大会の主管社に水着でのウォーキングなどを控えるよう勧告したが、ソウル予選でビキニ映像グラビアが送り出された事実を確認した。以前のように水着を着て舞台でウォーキングし、その場で点数をつけるやり方ではないが、それでも見る人によっては不快に思うことがあるため、もう一度注意を与えた」と話した。