本文に移動

韓国政府資料に“福島原発汚染水の影響ない”?…「一部専門家の意見にすぎない」

登録:2021-04-15 06:13 修正:2021-04-17 12:13
昨年10月作成の関係省庁TF資料に専門家の意見として含まれる 
国務調整室「一部の専門家の意見が政府の立場になるわけではない」
今月14日午後、日本大使館の前で、水協中央会や韓国水産産業総連合会などの水産団体の関係者らが、日本の福島第1原発の放射能汚染水の海洋放出決定を糾弾し、スローガンを叫んでいる/聯合ニュース

 福島第一原発事故で発生した放射能汚染水の海洋放出決定の6カ月前の昨年10月に、韓国政府が汚染水の放出について国内外の動向と対応計画をまとめた報告資料が公開された。

 国会農林畜産食品海洋水産委員会のアン・ビョンギル議員(国民の力)は14日、福島原発汚染水関連関係省庁合同タスクフォース(TF)の現状報告資料を入手し、公開した。「対外注意」と書かれた8ページ(表紙・目次を除く)の報告資料には、「三重水素(トリチウム)などが排出濃度基準超過」など保管中の汚染水の現状や、「国際原子力機関(IAEA)は日本側の処分案を妥当だとみている」など国際社会の動向とともに、韓国国内の動向(国会や環境団体、専門家)、対応の経過、今後の計画が書かれている。

 特に、国内動向のうち、専門家の部分に「トリチウムは海洋放出から数年後に国内海域に到達しても、海流によって移動しながら拡散し、希釈され、有意な影響はないと予想される」、「トリチウムは極めて弱いベータ線を放出し、内部被ばくのみ可能であるため、生体に濃縮・蓄積されにくく、水産物の摂取などによる有意な被ばくの可能性は極めて低い」と書かれている。報告資料には、このような意見が原子力安全委員会の進めた7回にわたる専門家懇談会などで収集されたものと示されている。

 報告資料は日本の放出計画に対する今後の計画として、国際法的権利に基づき、日本側に透明な情報公開を要求▽きめ細かい放射能安全管理体系の構築▽IAEAとの国際協力の継続などを提示した。

 同資料は海洋水産部が作成し、関係省庁TFで報告された。当時TFに参加した海洋水産部の関係者は、専門家の意見として提示された部分について「それを政府TFの結論と見ることはできない」と述べた。原安委の関係者も「主要懸案が発生すれば、関連専門家らの意見を聞くが、それが直ちに政府の立場になるわけではない」と語った。

 国務調整室は、報告資料を引用して「政府が昨年『福島原発汚染水、問題ない』と結論付けた」と報じた「ソウル経済」について、「深刻な遺憾を表明する。一部の専門家の意見が政府の立場になるわけではない」という立場を示した。国務調整室は「韓国政府は日本の汚染水の海洋放出決定に断固反対している。国民の安全に危害を及ぼすいかなる措置も受け入れられない」と述べた。

キム・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/991056.html韓国語原文入力:2021-04-150 2:40
訳H.J

関連記事