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韓国、医療放射線被ばく線量が世界最高レベル…「健康への影響は微々たるもの」

登録:2021-03-09 10:58 修正:2021-03-09 12:59
疾病庁の委託研究報告書、医療機関での被ばく放射線量を調査 
2016年→2019年で検査件数20%増、被ばく線量25%増 
1人当たりの被ばく線量、2.42mSv…ベルギー、米国より高い 
疾病庁「自然放射線量と同等の水準、健康への影響は微々たるもの」
結核の疑いがある患者が胸部放射線撮影検査を受けている様子=ハンギョレ資料写真(本文とは関連はありません)//ハンギョレ新聞社

 韓国は、国民が病院などで浴びる医療放射線量が世界で最も高い水準であることが分かった。ただし疾病管理庁は、年間医療放射線量は自然から浴びる放射線量と同等で、健康に大きな影響はないと説明した。

 疾病管理庁は8日、2016~2019年の4年間、医療機関などで国民が浴びる医療放射線の件数と被ばく線量を調査したキム・グァンピョ慶煕大学教授(原子力工学科)による政策研究報告書を公開した。報告書では、国民の年間医療放射線検査件数が、2016年の3億1200万件から2019年は3億7400万件へと年平均6.2%ずつ、約20%増加したことが分かった。

 年間被ばく線量は、2015年の10万1000人・シーベルト(man・Sv、集団積算線量)から、2019年の12万5000人・シーベルトへと年平均7.6%ずつ、25%増加した。人・シーベルトは、多数の人が被ばくした場合、その集団に属する個人の被ばく放射線量の合計を表す単位だ。

 国民1人当たりの被ばく線量は2019年に2.42ミリシーベルト(mSv)で、医療先進国のベルギーの1.96、米国の1.88、ドイツの1.67より高い水準だ。欧州連合(EU)36カ国(2014年)平均の0.97の2倍以上で、フィンランドの0.45と英国の0.39に比べ5~6倍になる。疾病庁医療放射線科のイ・ヒョング課長は「韓国は健康保険の適用で費用負担が少なく、診療件数が多いため、医療放射線使用量が増加し続けている」とし「1人当たりの被ばく線量が全世界の平均自然放射線量の年間2.4ミリシーベルトと同じくらいの水準であるため、健康に及ぼす影響は微々たる水準」と述べた。食品医薬品安全処では、韓国の平均自然放射線量は年間3.08ミリシーベルトとみている。

 特にCT(コンピュータ断層撮影)は、2019年の検査件数の3.2%にすぎなかったが、被ばく線量は38.7%を占めており、疾病庁は「医療放射線安全管理に関心を持つべき映像検査と調査された」と指摘した。疾病庁は医療機関などに送る「医療映像診断の正当性ガイドライン」を、印刷物だけでなくスマートフォンのアプリでも今年開発し、より利用しやすくする方針だ。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/985838.html韓国語原文入力:2021-03-09 02:01
訳C.M

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