「基礎疾患の悪化で死亡した可能性」
新型コロナウイルスワクチン接種後の異常反応として報告された8件の死亡事例についての検討が行われ、予防接種と死亡の間には因果関係なしとの暫定的な結論が出された。いずれも既存の基礎疾患の悪化や、脳出血などの別の死亡原因が把握された。
コロナ予防接種対応推進団と疾病管理庁の「予防接種被害調査班」は8日、6日までに異常反応として報告された8件の死亡事例を分析した暫定的な結果を発表した。感染学、呼吸器、アレルギー、神経学、法医学などの専門家8人で構成された被害調査班は、前日の会議で、療養病院に入院していた8人の死者についての疫学調査の結果や義務記録などを検討したことを明らかにした。
調査班はまず、死亡した患者に接種されたワクチンと接種過程に問題がなかったかを確認するために、死者と同じ日に、同じ場所で、同じワクチンの接種を受けた人に重症の異常反応があったかどうかを調べたが、8件すべてで該当する事項はなかった。続いて、代表的な重症以上の反応である「アナフィラキシー」に当たるかを検討した。アナフィラキシーは通常、接種から15～30分後に呼吸困難や全身のアレルギー反応として現れるが、8件とも予防接種と死の間隔は最短で22時間、最長で3日と20時間だった。調査班のキム・ジュンゴン班長(ソウル医療院小児青少年科教授)は「アナフィラキシーに当たる症状はなかったことが確認された」と明らかにした。
最後に、既存の基礎疾患が死因なのかを検討した結果、8件すべてで基礎疾患(脳血管系疾患、心血管系疾患、高血圧、糖尿、てんかんなど)の悪化による高い死亡可能性、または死に至りうる別の原因(脳出血、心不全、心筋梗塞、敗血症など)が確認された。死者の一人は肝臓に関係する基礎疾患がなかったにもかかわらず、死因が急性肝炎と推定されていたが、これについて嘉泉大学医学部のチョ・ヨンギュン教授(感染内科)は、「意思表示が円滑でない患者だったため、初期に病気が確認されていない状態で、胆管炎による急性敗血症で死亡したものと推定される」と説明した。防疫当局によると、8件のうち4件については、遺族の意思を尊重しつつ司法解剖の手続きを進めているという。
8日午前0時現在、ワクチン接種後の異常反応として報告された死亡事例は計11件となった。暫定的な結論が出た8件以外の3件の死亡事例については、1週間後に暫定的な調査結果が発表される。この日までにワクチンの1次接種を受けた人は累計で31万6865人。接種後の異常反応は3915件が報告されている。
また、2月26日から6日までに報告された異常反応を分析した結果、全接種者中1.2％で異常反応が報告されていることが分かった。ワクチンメーカー別ではアストラゼネカが1.2％、ファイザーが0.3％だった。症状は筋肉痛が65.2％、発熱が58.2％、頭痛が41.2％、悪寒が39.2％などで、98.7％が自然な免疫形成過程で現れうる症状だった。
ワクチンの1次接種後に新型コロナへの感染が確認された事例は、先月28日のファイザーのワクチン接種後に感染が確認された国立中央医療院の2人の看護師以外に、もう1人いることが確認された。中央防疫対策本部のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「免疫が形成される前にすでに感染していたか、(抗体形成前に)新たに感染したかの2つの可能性がある」と述べた。
防疫当局は、65歳以上にアストラゼネカのワクチンの接種を実施するかどうかを今週中に決定する予定だ。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は「英国とスコットランドで発表された、実際の接種後の効果を評価したデータをもとに、今週中に予防接種専門委員会を開き、(65歳以上の接種の可否を)審議する予定」と述べた。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は「アストラゼネカの高齢層に対する効果についての問題は、英国で数百万人単位の大規模データが発表されたことで一段落した」と説明した。65歳以上に対する接種が決定すれば、療養病院・施設と精神療養・リハビリ施設の入所者・従事者37万7000人あまりに対する接種が優先的に開始されるとみられる。
訳D.K
