文在寅(ムン・ジェイン)大統領が来月、アストラゼネカ製の新型コロナワクチンを接種する。
カン・ミンソク大統領府報道官は4日、ブリーフィングで文大統領のワクチン接種計画と関連して「一般国民と同じくワクチンを選択することなく接種を受ける」として「接種時期は6月に開催予定のG7(主要7カ国)首脳会談の日程から逆算して決めるだろう」と明らかにした。
文大統領が受けるワクチンは、上半期に1000万人分が導入されるアストラゼネカ製のワクチンになると見られる。大統領府関係者は「一般国民と同じく大統領はアストラゼネカ製のワクチンを接種することになる可能性が高い。大統領は喜んでアストラゼネカ製のワクチンの接種を受ける意向だ」と話した。現在、韓国国内で接種されている新型コロナワクチンは、アストラゼネカ製とファイザー製のワクチンの2種類だ。ファイザーのワクチンは感染病専門担当病院などの医療スタッフに接種されている。一般国民に接種されているアストラゼネカ製のワクチンは、防疫当局が65歳以上に接種対象を拡大する方案を検討中だ。
文大統領のワクチン接種時期は来月4月頃になると予想される。文大統領は6月11日開催予定の主要7カ国首脳会議に主催国である英国の招請を受けているので、これに合わせてワクチン接種が必要な状態だ。カン報道官は「現在、疾病管理庁は必須の都合で緊急出国する場合、例外的に接種経路を用意している」と明らかにした。アストラゼネカ製のワクチンが1回目の接種から8週間の間をおいて2回目の接種をしなければならないワクチンであることを考慮すれば、遅くとも来月初めには文大統領がワクチンの接種を受けなければならないことになる。
大統領府がこの日に文大統領のアストラゼネカ製ワクチン接種計画を明らかにしたのは、ワクチン接種を受けた療養病院の入院患者が接種後に死亡したという申告が2件あり、国民的不安が高まりかねないという憂慮も作用したとみられる。文大統領は2日、国務会議で「特にどのワクチンであれワクチンの安全性を政府が約束し責任を負う」として、国民のワクチン接種を促した。何よりも今年前半期に導入される新型コロナワクチン物量のうちアストラゼネカ製ワクチンが最も多いので、副作用に対する懸念が高まれば全体の接種計画に影響を与えかねない状況だった。
この日チョン・セギュン首相も、ワクチン接種後に死亡者が発生したことに対して「死因を明確に究明し、その結果を透明に公開する」として「政府を信じて動揺することなく接種に積極的に参加することをお願いする」と話した。疾病管理庁は現在、亡くなった2人について疫学調査を進めており、専門家と共に因果関係を分析中だ。