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大統領府「ワクチン接種第1号」揚げ足取りに「文大統領は拒まない」

登録:2021-02-23 02:46 修正:2021-02-23 07:23
国民の党のアン・チョルス代表が22日、国会で開かれた最高委員会議で発言している/聯合ニュース

 新型コロナウイルスワクチンの接種を前に、政界では文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「接種第1号」となるべきかどうかをめぐって論争が起きている。

 野党「国民の力」に所属するユ・スンミン前議員が19日に、自身のフェイスブックに「アストラゼネカ、大統領がまず接種してこそ、不信をなくすことができる」と題する文章を載せたことについて、共に民主党のチョン・チョンネ議員は22日「国民の不安をむしろ増幅させる無責任な策略」と反論した。チョン議員は、ユ前議員が自身と一緒に接種することを逆提案した。

 また、「国民の党」のアン・チョルス代表は22日、同党の最高委員会議で「アストラゼネカに対する不信や不安の解消のためなら、政府が承諾すれば、私が政治家として、また医療人の一人として、最初にアストラゼネカのワクチンを接種する用意がある」と述べ、第1号接種者となる考えのあることを明らかにし、論争に加わった。

 国民の力はこの日、野党を批判したチョン・チョンネ議員に集中攻撃を加えた。国民の力からのソウル市長選出馬を目指すオ・シンファン氏は、「(チョン議員の示した)『大統領は実験対象なのか』との反応は非常識だ。ならば最初に接種を受ける国民は実験対象だというのか」と反論した。ハ・テギョン議員は「アストラゼネカのワクチンを接種する国民は毒見役だとでもいうのか」と攻勢を加えた。

文在寅大統領が19日、全羅北道群山にある最少残余型特殊注射器の生産メーカーを訪れた。この注射器はコロナワクチンの接種に使われる=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 民主党は、国民の力は大統領がワクチン接種第1号となれと叫ぶことで、ワクチンに対する不安を煽っていると批判した。シン・ドングン最高委員は「コロナ危機を政治攻勢のイシューにしないでほしい」とし「恐怖を増幅させて反科学を流布することは反社会的策動」だと述べた。

 大統領府の高官はこの日「もし国民的不信があるのなら(大統領が第1号接種者となることも)拒む理由はない」とし「不信が生じればいつでも検討することを排除しない」と述べた。しかし「(現在、ワクチン接種を)受けたいという人は90%以上にのぼっているため、不信が生じなければ(接種第1号は)検討しない」と付け加えた。多くの国民がワクチン接種を避けるほど不安が高まっている状況にはないため、「65歳未満」との対象者基準を破ってまで「第1号接種者」となる必要はないと判断しているということだ。文大統領は68歳。

 中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長はこの日の定例ブリーフィングで「現在、予防接種を進めているワクチンは、臨床試験を経て安全性と効果が確認され、許可を受けたもの」とし「ワクチン接種を受けるすべての国民は『実験の対象』ではない。(政界の)そのような表現は適切でないと思う」と述べた。またチョン本部長は「最初に接種する」と述べる政治家に対しても「接種は現在、優先順位を決め、公正性と透明性を持って対象者を管理している」とし「現在のところ、決まった順序に沿って接種を進める予定」と述べた。しかしチョン本部長は「ただし予防接種に対する国民不安が大きく、懸念が提起される状況だと判断されれば、社会の著名人や保健医療界の代表が(最初に)接種することもありうる」とし「現在はそうした状況にはなく、接種同意率がかなり高いため、順序に従って接種を滞りなく進める」と説明した。

ソン・ホジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/984060.html韓国語原文入力:2021-02-22 22:02
訳D.K

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