ユン・ソクヨル検察総長がマスコミのインタビューで、与党の重大犯罪捜査庁(捜査庁)新設方針について、「(検察総長の)職をかけて阻止できるなら、100回でもかける」として、反対意思を表明したことを受け、第一線の検事たちも捜査庁反対に声を上げている。
ユン総長は1日、国民日報のインタビューで「(捜査庁は)民主主義の後退であり、憲法精神の破壊だ」とし、「法治を抹殺するものだ」と強く批判した。ユン総長のメッセージがメディアを通じて公開されたことを受け、検察内部では「マスコミのインタビューは予想できなかったが、総長のメッセージには同意する」という反応が相次いだ。ソウル中央地検のある部長検事は「これは検察総長一人の問題ではなく、検察全体の問題」だとし、「3月中に意見を出すというのがマスコミのインタビューとは思わなかったが、ユン総長が職をかける事案であることには同意する」と述べた。首都圏のある次長検事も「今月3日、大邱(テグ)高等検察庁の検事たちとの懇談会で立場を表明すると思っているが、どうせこれは形式の問題だと思う。検察総長の懲戒処分とは比べ物にならないほど重大な事案であり、検察の大半が機関を廃止する法案を重く受け止めている」と伝えた。また「われわれも職をかけなければならない状況だ」とし、「立法手続きを推し進めるなら、国民に訴えるしかない」と付け加えた。ユン総長は大邱高検・地検でも捜査庁反対の立場をもう一度強調するものとみられる。
捜査庁法案の立法が本格的に進められれば、検察の集団反発も予想される。ある次長級検事は「捜査庁法案が成立すれば辞表を出す。検事として働く理由がないからだ」と声を高めた。ただ、一般検事会議のような集団行動を起こすにはまだ早いという指摘もある。地方のある検事長は「検事が検査権(検察と警察の捜査権)の調整、高位公職者犯罪捜査処の導入など、目まぐるしく進められた検察改革に疲れている状態」だとし「誰も納得できない捜査庁の導入に憤っているが、どうせ私たちの意見は受け入れないという考えが強い。総長のアクションが必要だと思う」と述べた。
検察内部ネットワークには、一般検事の批判の書き込みが掲載されている。ソウル中央地検のソン・ギボム検事(司法研修院40期)は「捜査庁は旧日本帝国の特別高等警察(特高)と同じだ」とし、「特定な事案だけを担当する別組織として警察組職を新たに作り出そうとしている」と主張した。