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出生率世界最低の韓国、0.84人で再び過去最低を記録

登録:2021-02-25 05:42 修正:2021-02-25 06:59
昨年の出生数、30万人台も崩壊 
人口の自然減少始まる 
コロナ禍で結婚減り、さらに下がる見込み
ソウルのある産婦人科の新生児室=資料写真//ハンギョレ新聞社

 昨年、韓国の合計特殊出生率が0.84人まで下がり、再び過去最低を記録した。出生数より死亡数が多い人口の自然減少も初めて始まった。特に、コロナ禍で結婚が大幅に減り、今後、出生数の減少がさらに進むものと見られる。

 統計庁が24日に発表した「2020年出生・死亡統計の暫定結果」によると、昨年の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間で産むとしたときの子供の数の平均)は0.84人で、2019年の0.92人より0.08人減少した。合計特殊出生率は2018年に0.98人を記録し、初めて1人を割り込んでから、昨年は0.9人台も崩れた。特に、昨年第4四半期の合計特殊出生率は0.75人まで下がるなど、出生数の減少速度が速まっている。合計特殊出生率が1人を超える地域は、世宗(セジョン、1.28人)、全羅南道(1.15人)、江原道(1.04人)、忠清南道(1.03人)、済州道(1.02人)、慶尚北道(1.00人)の6カ所だ。ソウル(0.64人)や釜山(プサン、0.75人)など大都市は若年層と未婚人口の比重が相対的に高く、出生率が低かった。

 韓国の合計特殊出生率は世界でも最も低い水準だ。2018年基準、経済協力開発機構(OECD)に加盟した37カ国のうち、韓国は0.98で唯一0人台だった。加盟国の平均は1.63人。

 昨年の出生数は27万2400人で、2019年(30万2700人)より10%減少した。年間出生数は2017年に初めて30万人台に下がり、わずか3年で20万人台に落ち込んだ。昨年の死亡数は30万5100人で、出生数より3万2700人多かった。死亡数より出生数が少ない人口の自然減少が初めて発生した。

 統計庁のキム・スヨン人口動向課長は「昨年は新型コロナで婚姻が大幅に減少したため、出生数がもう少し減少する余地があり、高齢化で死亡数は増え続けると予想されるため、自然減少はより急激に進むだろう」と予想した。昨年の結婚件数は21万3513件で、前年比10.7%減少した。

 こうした人口減少は2年前に政府が出した人口展望のうち「悲観的シナリオ」に近い。統計庁は2019年の「将来人口特別推計」で、2021年の合計出生率を0.86人と予想し、悲観的に予測(低位推計)した場合、0.78人になると見通した。昨年の合計特殊出生率(0.84人)がすでに今年の予想値を下回っている。

 少子化は高齢化を繰り上げ、年金・医療費など福祉支出の急増につながり、一方、生産年齢人口の減少により、経済成長や財政収入が低下する可能性がある。韓国政府は2年前、「人口政策対応タスクフォース」を立ち上げ、人口減少に対応する長期対策をまとめると公言したが、これといった成果は見られない。

 イ・サムシク漢陽大学教授は昨年、報告書「韓国の人口政策の変遷と時代的含意」で、「補助金支給のようなミクロなアプローチだけでなく、家庭生活の犠牲を当然視する社会文化や男女不平等的労働構造などを根本的に解決する努力が必要だ」と指摘した。また、政府が伝統的な結婚・出産価値観から脱し、非婚出産など若い世代が望む時代的要求に応じる政策を積極的に受け入れるべきだと強調した。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/984270.html韓国語原文入力:2021-02-25 02:30
訳H.J

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