共に民主党の指導部が28日に所属議員らの「司法壟断判事弾劾発議」を受け入れたのは、共に民主党内部の強硬な雰囲気が作用したからだ。22日にイ・タンヒ議員が共に民主党や正義党、開かれた民主党などの国会議員107人の意見を集め、「司法壟断」に関与した釜山(プサン)高裁のイム・ソングン部長判事とソウル高裁のイ・ドングン部長判事の弾劾を提案した際には、党指導部は消極的だった。
しかし、イ議員は指導部の人々に相次いで会い、「憲法を破った判事は憲法で断罪しなければならない」とし、説得作業を粘り強く続けていった。分岐点は27日に開かれた議員総会だった。この日は2月の国会で処理しなければならない懸案が山積しており、判事弾劾の討論には多くの時間が当てられてはいなかった。しかし、短い時間だったにも関わらず、議員10人が出て賛成の発言をしたという。これに対し指導部は、もう少し議論が必要だと判断し、議員総会をもう1回開くことにした。
2回目の議員総会が設けられた28日の朝、指導部はイ・タンヒ議員が参加したなかで非公開の最高委員会を開き、判事弾劾について論議した。その席で指導部は「イ・ドングン部長判事は相対的に過ちが軽微であり、弾劾対象から除外した方がいい」という党内の法律専門家の意見を伝え、イ・タンヒ議員もこれを受け入れた。2015年12月、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領に対し「セウォル号の7時間」疑惑を提起した加藤達也元産経新聞ソウル支局長の名誉毀損裁判を控え、当時のソウル中央地裁のイム・ソングン刑事首席部長判事は、裁判長であるイ・ドングン部長判事に「宣告の前に判決内容を報告してほしい」と伝え、判決文の作成に介入した。キム・テニョン院内代表は記者団に「イム部長判事の裁判記録をみると、『憲法に違反した』と明示されている」と述べた。
党指導部との協議を経た後、イ・タンヒ議員はこの日午後4時に開かれた議員総会で、イム判事だけを弾劾しようという修正提案を行った。議員総会の雰囲気は弾劾に賛成する意見が多数だったという。議員総会に参加したある議員は「8対2程度で弾劾に賛成する意見が多かった」と伝えた。ホン・ヨンピョ議員、チョン・チョンネ議員、ソン・ヨンギル議員などの党内の重鎮議員も、積極的に弾劾を主張した。別の議員は「弾劾に反対するといった議員も『事由は認められるが、状況の上では無理』だという意見だった」と述べた。反対だとしても積極的ではなかったわけだ。議員総会後、キム・テニョン院内代表は記者団に「裁判所は懲戒の時効が過ぎたという理由で憲法に違反した判事を懲戒しなかった」とし、「憲法違反弾劾権は国会が持っている。それにも関わらず国会が弾劾しないのは任務放棄だと多くの議員が意見を出した。党はその意見を尊重する」と述べた。
党指導部は「党論ではない」とし、「自由投票」に任せると述べたが、慎重な姿勢だった指導部が発議を受け入れたこと自体が「事実上の党論採択」の意味だと読み取れる。ある議員は「22日の弾劾案発議の提案文だけでも107人が名前を載せたが、党指導部が同意したので、その数字はさらに増えるはずだ。弾劾案発議の名簿自体が議決定足数を越えることもありうる」と述べた。現在の共に民主党の議席数は174議席であり、正義党(6議席)、開かれた民主党(3議席)、基本所得党(1議席)は、すでに弾劾賛成の意向を表明した状態だ。
国会法では、弾劾訴追が発議された場合、最も早くに開かれる本会議に報告し、報告の24時間後から72時間以内に無記名投票により表決することになっている。イ・タンヒ議員が29日に弾劾案を発議する場合、2月2日に開かれる本会議に報告され、3日か4日の本会議で処理される可能性がある。発議には100人、可決には151人が必要だ。弾劾案が可決される場合、憲法裁判所が弾劾の可否を最終決定する。